トレード考察シリーズ エピソード2:ロケッツ/ホークス/ウルブス/ナゲッツ

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今年は驚きに満ちたトレードがいくつかありました。
・ウォリアーズとウルブス
・ロケッツ、ホークス、ウルブス、ナゲッツ
・ヒート、グリズリーズ
・ピストンズとキャヴァリアーズ

これら多くの人が疑問をもったトレードを考察してみようと思ういます。

ロケッツ、ホークス、ウルブス、ナゲッツ

ロケッツ、ホークス、ウルブス、ナゲッツの4チームの間で、12人の選手を巡る大規模トレードがありました。12人という数字は、2000年以来最多だそうです。

ロケッツがトレードしたアセット:
・クリント・カペラ
・ネネ
・ジェラルド・グリーン
・2020年の1stラウンドピック

ロケッツが獲得したアセット
・ロバート・カヴィントン(ウルブスから)
・ジョーダン・ベル(ウルブスから。後にグリズリーズにカボクロとトレードされる)
・2024年のウォリアーズの2ndラウンドピック


ホークスがトレードしたアセット
・2020年のネッツの1stラウンドピック
・エヴァン・ターナー(切れる契約)
・2024年のウォリアーズの2ndラウンドピック

ホークスが獲得したアセット
・クリント・カペラ(ロケッツから)
・ネネ(ロケッツから)


ウルブスがトレードしたアセット
・ロバート・カヴィントン
・シャバズ・ネピアー
・ジョーダン・ベル
・ケイタ・ベイツ-ディオップ
・ノア・ヴォンレー

ウルブスが獲得したアセット
・マリック・ビーズリー(ナゲッツから)
・ホァンチョ・ヘルナンゴメス(ナゲッツから)
・ジャレッド・ヴァンダービルト(ナゲッツから)
・エヴァン・ターナー(ホークスから)(後にウェーブ)
・2020年のネッツの2ndラウンドピック(No.15~16あたりか)(ホークスから)


ナゲッツがトレードしたアセット
・マリック・ビーズリー
・ホァンチョ・ヘルナンゴメス
・ジャレッド・ヴァンダービルト

ナゲッツが獲得したアセット
・2020年のロケッツの1stラウンドピック(No.22~25?) (ロケッツから)
・シャバズ・ネピアー(ウルブスから)後にウィザースにトレード
・ノア・ヴォンレー(ウルブスから):契約が切れる
・ケイタ・ベイツ-ディオップ(ウルブスから)
・ジェラルド・グリーン(ロケッツから)(後にウェーブ)


キャップスペース
ロケッツはこのトレードで6億円削ってタックスがなくなりました。
バイアウト市場で約5.7億円の選手と契約できます。

ジェフ・グリーンと10Day契約をしたので、キャブスのトリスタン・トンプソンがどうなるか様子見ではないでしょうか。他にもデマーレ・キャロルをバイアウトで獲得。

ホークスは来シーズンの約16億円分のキャップスペースがなくなりましたが、まだ約50億円あります。

ナゲッツのキャップは約107億円(グラントがオプション使わない場合)。ポール・ミルサップ、メイソン・プラムリーがFAです。

ウルブスの来シーズンのキャップは約96億円になりました。ジェンの約16億円のサラリーを下ろしたのが効いています。

*2020年サラリーキャップは約115億円、タックスは約139億円になります。

トレード考察:ロケッツ

ロケッツはCのカペラを出す事により、スモールボールに特化。
シューターではないウェストブルックの邪魔になるカペラを出して、3&Dのカヴィントンを入れました。

これまでのロケッツの問題は、相手チームはスリーがないウェストブルックのディフェンスをハーデンにつかせてダブルしたり、ハーデンのスペースをカバーする事でハーデンの負担が大きくなっていた事と、
リム下にいるカペラがウェストブルックの強みであるドライブするスペースを殺していた事でした。ロケッツは、この構造的な問題をトレードで解決した事になります。

トレード後には、センターにはタッカー、4にウルブスから得た3&Dのカヴィントンを入れて5アウトしてスペースをつくりました。これにより、ウェストブルックのオフェンス能力がいかんなく発揮されるようになります。スペースを考えると、むしろウェストブルックのチームへと変貌を遂げたのではないでしょうか。その事に対してはハーデンも問題ないようです。ヤニスのまわりにシューターを置いてヤニス中心のチームづくりをしているバックスと同じアプローチですね。

(Tim Warner / Getty Images)

同じく構造的な問題を抱えているシクサーズとは違って積極的に(大胆に)、問題解決をしましたとも言えます。

しかし、これにより、ロケッツは1番身長が高い選手が6-7のカヴィントンという異次元の領域に入りました。スモールの5アウトで、選手たちは複数のポジションをスイッチして守り、センターというリムプロテクションがいなくて2点とられても、スリーを他チームより多く打って確率で勝ちに行くという計算が働いたと思われます。

ロケッツの、相手が2点とっている時に3点をとるという優位性がなくなって来たというのもありそうです。多くのチームが、スリーを多く撃つというロケッツの戦術を使っているからです。ここで、更にスモールになる事により、一気に他チームよりも先を行った感もあります。

ダントニが、サンズの7セカンズ&レス時代にもっとスリーを撃てばよかった、と後悔しているというのもフロントの判断に影響しているのではないでしょうか。

あと、カペラは試合をクローズしません。特にウェストブルックがいる限り、外がないカペラはプレーオフでは使えないでしょう。プレーオフのクロージングでベンチにいる選手に約16.8億円(来シーズンは約18億円)は大き過ぎます。

ただ、ロケッツのスモールボールは評判は良くありません。レギュラーシーズンは勝てても、守備がきつくなるプレーオフでは勝てないという意見ばかりです。

また、ウェストにはAD、ヨキッチ、ゴベアーとエリート・ビックが多く、彼らを超えていかなければカンファレンス・ファイナルには行けません。スモール対決でも、カワイ、ポール・ジョージ、マーカス・モリスを擁するクリッパーズの方が分がありそうな気もします。

タッカーが5の時、ロケッツはDefRtgが111.8 で22位という数字もあります。これがカヴィントンやジェフ・グリーンが入る事によってどこまであがっていけるのか。カヴィントンはリバウンドもとれますし、ヘルプディフェンダーとしても優秀です。グリーンはタッカーにはないボールハンドリングもあるので、オフェンスのバリエーションは増えていきそうです。

モリーも中国の件がありますし、ダントニは今年が契約最後。
ロケッツの未来はスモール戦略にかかっています。
どこまで行けるのか、ちょっと楽しみです。

トレード考察:ホークス

守備がボロボロのホークスが、カペラというリムプロテクターを得ました。オフェンスでもトレ・ヤングとの相性も良さそうです。

今年はドラフトでもFAでも良いCはいないので、リムを守れるCをトレードで得た事は大きいでしょう。

しかし、同じダイブマンであるジョン・コリンズとオフェンスの役割がかぶります。カペラが怪我から戻ってきた時に、コリンズはどこにいるのでしょうか?トレ・ヤングのスペースをつくるためにスリーポイントラインにいる事は間違いないでしょう。そうなるとコリンズの長所を消してしまうので、ホークスがどう対応するのか興味深いです。

トレード考察:ウルブス

マリック・ビーズリー、ホアンチョ・ヘルナンゴメス、という2人のシューターを得てKATのまわりにスペースをつくりました。オープンスリーの確率が最下位近かったのですが、これで33%になったので良いカタチがつくれそうです。

特にビーズリーはスコアラータイプで、ビーズリーはトランジションスリーも決めれますし、KATとディアンジェロ・ラッセルのコンビとのバランスは良さそうです。ディフェンスはディアンジェロ・ラッセル、KAT、ビーズリーで不安ですが…

ただ、KATとラッセルとの相性なら3&Dウィングのカヴィントンの方が良さそうです。ウルブスはこの4角トレード時点でラッセルを得ていません。ラッセルを得るために、ドレードアセット(2020年のネッツの2ndラウンドピック)を集める必要だったのではないでしょうか。

ウルブスにとって、ラッセルを獲得するためにカヴィントンを出した、というのが、このトレードのポイントだと思います。

トレード考察:ナゲッツ

ナゲッツは、夏にRFAになるビーズリーとヘルナンゴメスをトレードしました。チーム補強というよりも、来シーズンに向けてのキャップマネジメントの動きが強いです。

(Garrett Ellwood/Getty Images)

RFAでは彼らのオファーにマッチする事はできますが、他にもFAのミルサップやクレイグなど、メインの選手をどうするか決める選択肢を広げるためにも2人を出したのではないでしょうか。今シーズントレードで得た選手は来シーズン契約が残っている選手はいませんし、ヨキッチ、ハリス、ミルサップにはファイナルへ行くとボーナスが支払われる事になっていますし、お金をセーブする狙いがよく見えてきます。

オーナーがタックスを払いたくないのでしょう(ケチで有名)。

ビーズリーはハリスのバックアップとしては良かったですが、同じタイプのジョーダン・マクレィをウィザースから獲得しています。

参考サイト:Examining the four-team mega deal between the Rockets, Hawks, Wolves and Nuggets

サムネイル画像:Photo by NBA