今年は驚きに満ちたトレードがいくつかありました。
・ウォリアーズとウルブス
・ヒート、グリズリーズ
・ロケッツ、ホークス、ウルブス、ナゲッツ
・ピストンズとキャヴァリアーズ
今回は今シーズンのトレード考察シリーズ最後になるキャブスとピストンズのトレードを見てみようと思います。
デトロイト・ピストンズとクリーヴランド・キャヴァリアーズ
ピストンズがトレードしたアセット
・アンドレ・ドラモンド(プレーヤー・オプションの約28億円)
ピストンズが獲得したアセット
・ジョン・ヘンソン(切れる契約の約9.7億円)
・ブランドン・ナイト(切れる契約の約15.6億円)
・2023年の2ndラウンドピック(キャブスかウォリアーズの悪い方)
キャヴァリアーズがトレードしたアセット
・ジョン・ヘンソン
・ブランドン・ナイト
・2ndラウンドピック
キャヴァリアーズが獲得したアセット
・アンドレ・ドラモンド
両チームのキャップ
ピストンズ:
このトレードにより、この夏のピストンズのキャップスペースは約41.5億円空きが出そうです。今年は大きなFA市場にはならないのと、今ピストンズにトレードで使えそうな約10億円規模のサラリーの選手がいないため、ピストンズは今年の夏は再来年を目指しての2年契約などうまく立ち回る必要があります。ただ、デトロイトはFAが行きたいと思う街(&球団)ではないので、トレードかドラフトでスター選手を獲得するしかありません。
となると、約10億円規模の選手を長期契約でもいいので数人揃えておきたいところです。
キャブス:
キャブスはおもしろくて、来シーズンにドラモンド(オプトインする想定)、ラヴ、ナンスに約71.7億円使うことになります。この3人にこの大きな数字は驚異的ですらあります。ちなみに、今シーズンはこの3人+トリスタンに約87.3億円使っています。(今シーズンのサラリーキャップは約109.1億円)
来シーズンは今のところ、10人で約109億円なので、まずまずなところにいます。
トレード考察:ピストンズ
ドラモンドのトレードは、ただのサラリーダンプにしか見えません。
彼で得たアセットは切れる契約ですし、ドラフトアセットも1stではなく2ndラウンドピックです。オールスターに選出された事もあり、プライム中の選手をサラリーダンプするのは非常に稀です。
最低でも1stラウンドや将来成長しそうな若手選手とのトレードなところを、約28億円のキャップスペースのために捨てたのは、少しでも再建を早くしたいというフロントの意思の表れではないかと思います。
ドラモンド+グリフィンでプレーオフ進出又は良くても1回戦敗戦を続けるのか、チームを優勝できるように再建するのか考えて、オーナーは再建の道を選んだのでしょう。
グリフィンのケガが治ったら、パスカル二世と言われるドゥンブヤとポジションが被るので、グリフィンもトレードするかもしれません。ただ早くしないと、グリフィンは1年のレンタルになりそうなのでドラモンドのように需要がなくなってしまいます。1年のレンタルで約36.6億円というサラリーとトレードしてくれるチームはあるのでしょうか(それにケガがち)。幸いにもピストンズにはドラフトの1stラウンドピックが残っているので、それをつけて引き取ってもらう手もあります。ケガから復帰して彼がどれだけ活躍ができるのかにかかっています。
あとは若手を集めて成長させる事が重要ですが、ドゥンブヤを3で使ったりしてそちらも疑問が残ります。いずれにしても、2020年からのドラフトの1stラウンドでグリズリーズのように当たりを引き続ける必要があります。
トレード考察:キャブス
キャブスにしても、ドラモンドを取ってどういうチームにしたいのか良くわかりません。
セクストンとガーランドが外しがちなシュートのリバウンドを取るためにしてはサラリーが約27億円と高過ぎますし、それならトンプソンと再契約してもいいのではないかとも思ったりもします。
"When the trade came through, (@kevinlove) was the first person to call me. He was ecstatic." – @AndreDrummond #BeTheFight pic.twitter.com/Fd0iuoYp4G
— Cleveland Cavaliers (@cavs) February 8, 2020
また、噂ではブレイザースがホワイトサイドとベイズモアの切れる契約をラヴとのトレードでオファーしていたそうです。キャブスは今年のキャップスペースには興味がなかったのでしょう、断ったそうです。
そうなると、キャブスの狙いは2021年のFA市場でマックスを確保する事なのではないでしょうか。2021年はラヴや他のチームオプションを加えても約71億円になります。ドラモンドを歩かせ、いい選手とマックス契約をする。2021年からセクストンのルーキー契約延長が待っています。2021年でキャップは使っていきたいところです。
その頃にはラヴのトレードもできるかもしれません。
現状の課題はウィングが足りていないので、なんとか良い若手を獲得したい。ガードはすでにセクストンとガーランドがいるので、今年のドラフトではオビ・トッピンかイスラエルのデニ・アヴジャを狙うのかもしれません。キャブスの順番までにアンソニー・エドワードが残っていたらどうするのでしょうか。
ドラフトも楽しみになってきました。
He was far from perfect vs Auburn but Anthony Edwards still makes a few star-caliber plays every night. Good to see him buy in defensively down the stretch. Has the tools to be elite on that end should he ever fully apply himself. Tough cover when he attacks decisively. pic.twitter.com/g3hS96754b
— Mike Schmitz (@Mike_Schmitz) February 21, 2020
トレードとは関係ありませんが、ヘッドコーチのジョン・ビーランが辞任しました。保証されていた約12億~16億円のサラリーを手放してまで辞任をするという事は、相当なストレスだったと思われます。選手たちに大学生の選手のように接し、練習量やプレー時間など大学ではなかった制限になかなか馴染めず、選手たちへの人種差別発言もしてしまっていました。NBAでもすべて自分の思い通りに行くと思っていたのでしょう。また、そのような人物をヘッドコーチにしたキャブスのトップにも問題があります。
Breaking: John Beilein is leaving as Cleveland's coach. Associate HC JB Bickerstaff will be elevated to head coach. Beilein's expected to say goodbye to staff and players on Wednesday upon team's return from All-Star Break. (via @wojespn) pic.twitter.com/3MxP2JZ0pH
— SportsCenter (@SportsCenter) February 19, 2020
以前にも、タイ・ルーやブラットやグリフィンGMとも同じような事がありましたね。キャップや選手たちよりも、まずはオーナーやフロントを変える必要があるのかもしれません。
参考サイト:The Athletic experts examine the Andre Drummond deal for the Pistons and Cavaliers
サムネイル画像:Photo by Jason Miller/Getty Images