これからのNBA:サラリーキャップ

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NBAの面白さに「チームづくり」があると思います。

例えば、ヤニスのまわりにシューターをおいてヤニスにスペースを与えてバスケットをアタックさせる、とか、シュートを撃たないベン・シモンズとジョエル・エンビードを共存させるためにはどんな選手が必要か?

そしてそれにはいついくらかけられるのか?

誰がFAで、誰がトレード可能か?

そして、それはサラリーキャップに左右されます。

NBAはシーズン再開しても無観客試合が予想され、BRI(収益)の落ち込みは確実です。となると、来シーズンのサラリーキャップは減る事が予想され、チームづくりにも影響してきます。

そこで今回は2020-21シーズンのサラリーキャップがどうなるのか見ていきたいと思います。

2020-21シーズンのサラリーキャップ

コロナウィルスでシーズンが残り17試合で中断となったNBAですが、単純計算するとレギュラーシーズンの1/4の収入がなくなってしまっている状態です。

レギュラーシーズンの1/4+プレーオフの売上が減る…
これはあらゆる側面でNBAを直撃します。

コロナでBRIが減るまでは、サラリーキャップは約115億円でした。
タックスは約132.6億円。
ハードキャップは約138.9億円。

この約115億円は選手に支払われるお金で、すべてのBRIの50%~51%になります。
BRIは、チケット、TV放映権、駐車場、スポンサーシップもすべての売上をまとめた数字の事で、その50%を30チームで割るとサラリーキャップ(約115億円)になります。

ですので、当然、試合がなくなる→利益が減る→サラリーキャップに影響、って事になります。

(by Ben Mckeown/AP)

今シーズン、平均で9試合ホームが残っていて、チケットセールスは1試合平均2億円になるそうです。それを30チームでかけます。そうなると少なくとも約540億円の損失になります。(1試合のウォリアーズは約3億円以上、グリズリーズやペリカンズは約1億円以上と言われ、平均約2億円と言われています)

中には、NBAチームの平均チケットセールスは約1.2億円で、レギュラーシーズンは259試合(全1230試合)残っているので、レギュラーシーズンでおよそ300億円のチケット収入がなくなると計算している人もいます。それに加え、プレーオフは平均83試合あり、平均チケットは約3億円なので、プレーオフでは合計で約249億円のロス。チケット収入だけでトータル約466億円の損失になります。

この約466億円の損失がどうサラリーキャップに反映されるかというと、(約466億円×51%)30チームで、約107億円になります。

約115億円から約107億円にまでさがります。

TV視聴率の低下や試合数は2020-21のキャップには影響しません。
TV契約は2024-25シーズンまで、CBAは2022-23シーズンまで続くので、ロックアウトやストライキはないでしょう。

また、CBAでは、オーナーとNBPAの両サイドが合意できなければ、キャップはTV放映権と前年度のBRIを使う事になっています。そうなると約109.1億円になります。タックスはだいたい130.9億円でしょうか。

弊害

いずれにせよ、来シーズンのサラリーキャップは約110億円を切る事になるでしょう。

各チーム、来年度のタックスを見越してチームづくりをしているはずで、そこに行かないようにトレードなどでサラリーを調整しています。

例えば、ロケッツの来シーズンのサラリーは10人ですでに約130.4億円にいっています。あと4~5人と契約しなければいけないのに、タックスまで後0.5億円になってしまいます。

タックスは約132.6億円だったので、オーナーにとってはバッファーだったはずの約2億円が約3億円の出費に変わります。

コロナでカジノとレストランで大打撃を受けたオーナーのフェーティッタにとっては痛い出費でしょう。

こうなると約16億円を稼ぐエリック・ゴードンが、夏かシーズン中に約12億円の選手とのトレードに出される事もありそうです(確信に近い)。

( by Elizabeth Conley/Houston Chronicle, Hearst Newspapers)

また、シーズン再開したとしても無観客試合になるでしょう。そうなるとスタジアムまわりの売店や駐車場などの収益は止まりますので、さらにキャップが減る可能性もあります。

NBAがシーズンを中止したくない理由

各球団はそれぞれローカルのTVとTV放送の契約を結んでおり、その中には年間最低70試合しなければならない契約があるそうです。もし70試合が達成されなかった場合は、契約料金をいくらか払い戻さなければいけないそうです。

また、ESPN(ディズニー)も巨額の契約料を払っているので、なんとしても試合を再開させ、広告料を稼ぎたいでしょう。ESPNはレギュラーシーズンで約241億円、プレーオフで約240億円で、合計約481億の損失。TNTはレギュラーシーズンとプレーオフ合わせて約211億円の損失だそうです。

ちなみに、今回のコロナで1番ダメージをうけているオーナーは以下になります。

レイカーズのバス家:ビジネスはほぼバスケしかしていない。

ロケッツのファーティッタ:カジノ、ホテル、レストランを経営。このコロナで約4万人をレイオフ。

ヒートのアリソン:クルーズ船の運営

 

来シーズン以降のサラリーキャップ

コロナは、来シーズンのNBAの観客動員数にもかなり影響してくると思われます。

最新のアンケートでは、72%の人がワクチンがない限りスポーツ観戦には行くのは安全ではない、と感じており、13%だけが普通の観戦が安全だと思っているそうです。

スポーツファンに絞ったアンケートでは、61%がワクチンなしで観戦すると答えており、12%だけがソーシャル・ディスタンシングするのであれば試合を観に行く気があるとの事です。

ステイプルセンターの観客は1.9万席なので、その13%は2,470人ですね。61%1.1万人です。

このままワクチンがなければ、チケットセールスもその他の売上も半分近く減り、BRIは今シーズンよりも減るかもしれません。冬にはインフルエンザと一緒にコロナの「セカンドサイクル」がやってくると言っている専門家(ファウチさん含む)もいます。そうなると、来シーズンは無観客試合になる可能性すらあります。

そうなると、豊作と言われている来年のFAにも影響します。コロナが終息するまで、ヤニスは契約延長はせずにスーパーマックス契約まで1+1でしのぐかもしれません。他の選手もコロナ終息するまでは、1+1からの長期契約を狙うかもしれません。

コロナの影響は来シーズン以降も続きそうです。

参考サイト:COVID-19’s impact on the salary cap is an addendum to a fraught situation
サムネイル画像:Photo by Getty Images