これからのNBA:ドラフト

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NBAドラフトの展望

ドラフトはFAとともにオフシーズンの華で一大イベントです。シーズンが中断されている中、6月に予定されているドラフトはどうなってしまうのでしょうか。

(Image by SBNATION)

ドラフトはCBAにも縛られていませんし、順位さえ決まってしまえば原則いつやってもいいものです。ドラフト1位の選手は約9億円くらいのサラリーになるため、キャップ的に工夫は必要ですが、NFLのようにFAの後にドラフトしてもルール的には問題ありません。

しかし、そうはできない現実的な問題がいくつかあります。

スケジュールの問題

物理的な問題として、レギュラーシーズンの成績で5~60位が決まるので、まだレギュラーシーズン中止が決定していない中でのドラフトはできないでしょう。

トレードの問題

ドラフト時にはトレードもあります。気に入った選手がいればトレードアップしたりします。
「The Last Dance」でブルズがジョーダンを獲得したのはトレードアップでした。

さすがにプレーオフ中にトレードはしないでしょう。

トレードされた選手がプレーオフを戦うのもどうかと思いますし、チームもプレーオフでの戦いを見てからあたらしいチームづくりをはじめたいはずです。

タレント・エヴァリュエーションの問題

1番の問題は、NCAAのトーナメントがキャンセルになり、競争(プレッシャーのかかる試合)の中での選手のエヴァリュエーションができなくなった事です。

そしてその他のドラフト選手が参加するイベントがキャンセルになりました。

USAバスケが運営している、ナイキ・フープサミットがキャンセル。
4/6~4/10予定でした。

ポーツマス・インヴィテーショナルがキャンセル。
4/15~18の予定でした。

もちろん、影響を受けたのはNCAAだけではなくヨーロッパの選手たちのスカウトです。
NBAスカウトやエグゼクティブたちは、ユーロリーグのプレーオフがあるため、4月と5月に欧州にスカウトに行っています。スケジュール感は、だいたい7日で7都市へ行くような過密なものだそうです。

今年はデニ・アヴィジャ、キリアン・ヘイズ、テオ・メイルドン、レアンドロ・ボルマロらがいるので、このあたりをプレッシャーの高いプレーオフでの試合を見ないでどう評価するのか?

特にアヴィジャとヘイズはロッタリーピック確実(個人的な意見)ですが、スカウトができないために順位が下がり、スリーパーになるかもしれません。 OKCのアレキサンダーのようなイメージです。

NBA プレドラフト・ワークアウトの問題

チームが練習場に選手を招待して、ワークアウトさせるものです。

大学ではスリーを撃たせてもらえなかったKATや、ボールハンドリングをさせてもらえなかったアデマヨなどの例があるように、試合ではチームのシステムや役割が決まっているため、十分なスキルが見れない場合があります。

また、そのために競争心がどれだけ高いか判断しずらいため、ワークアウトで倒れるほど追い込んでどんな反応/ボディー・ランゲージをするのか見極めたりしています。

アデバヨには激しいワークアウト中に、ヒートのコーチたちを挑発して気に入られたエピソードがあります。KPもレイカーズから吐くほど走らされたと言っていました。

ワークアウトは本来は、10日で普通の飛行機移動で7つのチームへ行く人もいるほどのスケジュール感なものですが、今年はコロナ感染の危険性もあるため、公共での移動もできません。アメリカは広いのでクルマ移動も現実的ではないでしょう。移動の問題だけではなく、感染の危険性があるため、トレーナーたちが集まるのも市から禁止されているチームもあります。

NBAドラフト・コンバインの問題

今年は5/21~24の予定でした。

夏にシーズンが終わってから行われるもので、主に5-on-5、運動能力テスト、身体測定、健康診断テスト、インタビューができるイベントです。

特にインタビューと健康検査は重要項目で、メディカルレコードをチェックしながら、長期的にケガをしない選手を選んでいきます。球団が自分のメディカルスタッフを連れて行って、気に入っている選手の膝やキネティクスをチェックしていきます。そこで怪我の可能性があると判断されればドラフトはしません。高校でトップだったMPJが2018年のドラフトで14位のナゲッツまで落ちたのはケガを不安視してチームが多かったためです。

スキルや運動能力はビデオで判断できるかもしれませんが、ケガは実際に選手の体に触れなければわかりません。本当に膝が正しく曲がらない選手もいるみたいです。

インタビューも結構シビアなもので、ダンチッチには「NBAではヨーロッパ出身のロッタリー選手は活躍できないが、どうして自分がNBAでスターになれるのか?」とか、MPJには「高校でしか全力プレーを見れていない。腰の手術で大学では2試合しか見れていない。しかもその2試合で負けている。なぜ私たちはリスクを冒してまでもあなたを取らなければいけないのか?」などを聞かれたそうです。

テクニカルな質問では、バグリーは「あなたのサイズ、スピード、運動能力があるのに、どうして33試合で29しかブロックできていないのか?なぜあなたのディフェンスを不安視するべきではないのか教えてくれ」と聞かれたというものがあります。

面白い質問では、
・クラブで何を飲むかとか?
・どんなマリワナの種類が好きか?
・セーフセックスをするか?
・黄色信号ではスピードを出すかゆっくりするのか?
・あなたは鉛筆の大きさで、ミキサーに入れられているが、この状況からどうやって抜け出すか?
・この部屋に何個のバスケットボールを入れられるか?
・マンホールの蓋はなぜ丸いか?
・今日我々がインタビューする選手でなたはがベストプレーヤーか?
・全部のタトゥーを説明してください。
・あなたの事を学校の清掃員に聞いたら、彼は何て言うでしょうか?
などがあったようです。

NBAの対策

今シーズンが中断しているため、球団は時間があまっています。
そこでNBAはドラフト対策として、以下のようなルールを設けました。

・1人の選手を1週間で2時間以上のヴァーチャル・ミーティングをしてはいけない
・実際にワークアウトするのは禁止
・ワークアウトのライブビデオも禁止

NBAはファイナルの最終日を9/3に設定しているので、今年のドラフトは9月中旬~後半になるのではないでしょうか。

最下位のウォリアーズは、トップ5に入るドラフトピックと17億円のトレードエクセプションがあるので、ザイオンやルカのような約束されたスター選手いないドラフトでどう動くのか?1位になった場合、どこまでトレードダウンするのか?それとも即戦力の選手を得るためにトレードするのか?

今年のドラフトは大きく動きそうです。今から楽しみです。

参考サイト:How the coronavirus pandemic will alter the pre-NBA Draft process
サムネイル画像:Image by NBAE