ウェスタン・カンファレンスのプレーオフのみどころ:1stラウンド

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ナゲッツ (3) vs ジャズ (6)

ジャズは苦手としているロケッツを避けるために、タンキングをして6位まで降りてきました。ナゲッツとの対戦は狙い通りとなります。

まずはケガや欠場情報から。マイク・コンリーが赤ちゃんの出産立会いのためにバブルを抜けて、復帰は早くてもゲーム3からになります。またバックアップビッグのエド・デイヴィスがMCLのケガで数週間欠場になります。ガードの層が薄いジャズにとってコンリーの一時離脱は痛いですね。

ナゲッツは、スターターのゲーリー・ハリスとウィル・バートンがゲーム1を欠場するようです。ボールハンドリングをするミッチェルやイングレスに誰をマッチアップさせるのでしょうか。

メインのマッチアップは、CのPER4位/史上最もパスの上手い5と呼ばれているオフェンスタイプのヨキッチ vs 2年連続DPOYのルーディー・ゴベアーです。リム・プロテクションがすばらしいゴベアーですが、外でボールを受けてオフェンスをつくるヨキッチに対してはゴール下から引っ張り出されるため、リバウンドにはあまり絡めません。

ジャズはリーグでもっともPnRが多いチームのひとつで、ナゲッツはゴベアーのロールにかなりやられています。コンリーがいない間は、左利きのイングレスとゴベアーのPnRが増えるでしょう。守備も背の高く左利きのイングレスのピックは守りにくそうです。ナゲッツはPnRのカバレッジをどうするのかきちんと決めた方がいいと思います。ナゲッツがどういう対応をしていくのか楽しみです。

ナゲッツへの対策は主にオフェンスの起点となるヨキッチにプレッシャーをかけて、ジャマル・マレーをペイントに侵入させない事で、あまりすばらしいとは言えないシューターに撃たせる事でした。しかし、今回はスペースがなくてもスリーを決められ、カットもうまいマイケル・ポーターがいるので、少し修正しなければいけません。ジャズがどう対応するのか気になります。ゾーンを織り交ぜればゴベアーもゴール下にいれるので、MPJがいない時間帯には効果的かもしれません。

ボールハンドリングもムディエイには行かずに、ミッチェルとイングレスでカバーして行くのだと思います。コンリーの変わりには、サイズに対抗するためにクラークソンではなく、外が調子のいいニェンが入ると思います。

ナゲッツは大きく長いです。ビックには、ヨキッチ、グラント、クレイグ、MPJ、メイソンといて、ラインアップをヨキッチ、グラント、MPJ、クレイグ(ミッチェルにマッチアップ)、マレーに展開もできます。ハリス、バートンが戻ってくればスモールにも変化でき、層が薄いジャズがマッチアップしていくのはとても大変だと思います。

ジャズはゴベアーがいない時間をどうするのかも見どころです。彼のON/OFF Diffは+12.6でその存在は大きいので、これをサイズがあるナゲッツ相手にどう対応していくのかも注目です。

ロケッツ (4) vs サンダー (5)

ハーデン vs クリス・ポール
ウェストブルック vs サンダー

…などいろいろな見どころが多いシリーズです。

ケガ情報:ロケッツはウェストブルックが右大腿四頭筋の肉離れで初戦を欠場します。彼のゲームは運動能力に頼っているので、早く治って欲しいです。

サンダーは、スタッパーとして頭角を現したル・ドートが右膝の捻挫で欠場です。ディ・トゥー・ディですが、出場は厳しいのではないでしょうか。

ロケッツはハーデンがいない時をどう乗り越えるかが課題。今シーズン、その時間のサンプルは331分で、100ポゼッションで-9.8と破壊されています。ウェストブルックもいないので、ハーデンは40分はプレーするのではないかと思います。

大きくみれば、ロケッツのスモールボール対スティーヴン・アダムスでしょうか。そして、ロケッツのオフェンスはアダムスとガリナリの2人を狙って狩って行くでしょう。反対にディフェンスではオフェンシブ・リバウンドを狙われます。今シーズン、ロケッツは、ウェストブルックが入った事により、走るチームへと変貌(29位→2位)をとげました。そのため、相手チームがオフェンシブ・リバウンドに行くのを防いでいましたが、そのウェストブルックがいなくなった&ハーデンはボールをプッシュするスタイルではないので、ディフェンシブ・リバウンドを守って行くのかがポゼッション勝負に影響してきます。相手のアダムスのオフェンシブ・リバウンド・レートは14.0%!

リバウンドを考えるとサンダーのスリーガード・オフェンス(CP3、SGA、シュルーダー)ヘのスイッチのアプローチも変わり、いつも通り1~5すべてにスイッチして行かずに、PJタッカーとカヴィントンをずっとマッチアップさせるか、スクラム多用にするかいろいろ織り交ぜていくのではないでしょうか。

サンダーはどうロケッツのスイッチに対応するのか?スリップするのか?ミスマッチを狙うのか?ボールディフェンスが良い訳ではないカヴィントンを狙うのか?高いガリナリのシュートが決まりまくるのか?

(Alonzo Adams / USA Today Sports)

サンダーのノエルは出られないかもしれません。ガリナリが5に入るのではないでしょうか。

楽なゲームはなく、どちらかが圧勝するイメージがわきません。激戦になると思います。

クリッパーズ (2) vs マーヴェリックス (7)

優勝候補のクリッパーズ対オフェンス力リーグNo1のマブスの超オフェンスチーム対決です。

NBAのオフェンシブ・レーティングで、マブスは1位の115.9。クリッパーズが2位で113.3です。
これがネット・レーティングになると、2位がクリッパースの6.3。マブスは6位の4.8です。

(Ashley Landis / Associated Press)

この数字から言える事は、まだ主力が揃っていない(全員揃っての練習はたったの2回しかしていない)クリッパーズのポテンシャルの高さと、マブスの普通な守備レベルでしょうか。

個人的にこの対戦の見どころは、マブスのコーチのカーライルが、どうクリッパーズの守備を攻めて、攻撃を守るのかとても興味があります。なぜなら守備が上手い選手にはシュートがなく、シュートがある選手には守備が良くはないからです。詳しくは後述します。

ケガ情報:クリッパーズは、パトリック・ビヴァリー(ふくらはぎの肉離れ)、ランドリー・シャメット(右足の捻挫)、モントレズ・ハレル(隔離明け)で復帰。ロースターが全員揃うのは今シーズン12回目だそうです。

クリッパーズは、ポージンギスにカワイ、ルカにポール・ジョージをつけて、そして残りの3人は、ハレル、マーカス・モリス、ジャマイカル・グリーン、パトリック・ビヴァリーらどれかがマッチアップ優先で入り、ルカ相手にスイッチしまくれます。驚異的にディープですね。逆に、オフェンスでは必ずどこかで弱点が発生し、そこを狙って行く事ができます。

マヴスはディフェンスでは、クリーバーをカワイに、スミスをジョージにマッチアップさせるのではないでしょうか。しかし、それはシュートがない事を意味します。ルカのまわりにシュートのあるハーダウェイ、カリーらを揃えるとディフェンスが苦しむ事になります。また、クリッパーズ相手にスリーの確率が下がっています(ハーダウェイ:-8.2%、ルカ:-3.8%、KP:-4.8%、クリーバー:-17.3%)。戦術家のカーライルが、どうクリッパーズのシステムを攻めて守るのかとても興味があります。

クリッパーズには時間を与えてしまえば、ビヴァリー、ハレルなどのピースが次々とマシーンに合体して完成度があがって行き、手がつけられなくなりそうです。特にハレルはチームの雰囲気を持ち上げてタフなものに変えてくるので、攻守攻略がむずかしくなります。マブスはそうなる前にいくつか勝ちを拾っておきたいところです。若いマブスはクリッパーズ相手に2勝できればシリーズを勝ったも同然の経験が得られるのではないでしょうか。

レイカーズ (1) vs ブレイザース (8)

バブルMVPのデミアン・リラード対優勝候補のレイカーズのシリーズです。

(Andrew D. Bernstein / NBAE via Getty Images)

ケガの情報から:
ブレイザース:コリンズの足首の炎症で欠場。

レイカーズ:ロンドが隔離中でどこかのタイミングで復帰するのではないでしょうか。

このシリーズはレイカーズがマッチアップ的に圧倒的に優位です。
ブレイザースにはオフェンスの出どころであるレブロンにマッチアップできる選手がいません。メロ、コリンズ、トレント、もしかしたらガブリエルがレブロンにつきますが、彼らがレブロンを止めるイメージが浮かびません。レブロンのポストアップも増えると思います。

また、ADもいます。ADを止められるブレイザースの選手はいません。ナーキッチもADのスピードとスキルにはついていけません。ナーキッチは1年半のケガから復帰したばかりですが、プレー時間も多いため試合後半にはバテてます。

逆に、レイカーズにはリラードに、ダニー・グリーン、KCP、カルーソといろいろ当てる選手がいます。そして、ゴール下にはADがいる…

ブレイザースが勝てるポイントとして、ナーキッチとホワイトサイドを同時に並べるビックになる事や、ゾーンを試す手段もあります。いずれもレイカーズのウィングのシュートの精度の悪さを狙ったものです。しかし、レイカーズがスモールになった場合、シュートが入るようになったクズマが出てきますし、ADが5になって走ってしまえば、レイザースが対応するのは困難でしょう。レブロンとAD相手にコリンズとナーキッチはファウルトラブルにも気をつけないとですね。ファウルした後、ディフェンスがリーグ3位のレイカーズのセットディフェンスに立ち向かわなければならないとすると、マネーボール的にも勝利がきびしくなります。

レイカーズは、どうリラードを抑えるかに注目です。ブラッドリーがいなくなったのは残念ですが、グリーンやKCPでもめちゃくちゃ速いわけではないリラードをリズムに乗せないくらいの対応できると思います。

またバブルでのブレイザースを見ると、控えの層が薄く、守備も良い訳ではないですし(ウィングもストッパーもいない)、リラードやナーキッチがいない時間を耐えなければいけず、大きくリードしての勝利はないと思います。徐々に押し込まれて、気づけばクラッチもデイム・タイムもなく負けてしまいそうです。

レイカーズはリラードの手からボールを離すためにハーフコートからトラップを仕掛ける事はしないと思います。ブレイザースのオフェンスに入るパターンは多くありませんので、ある程度何がくるか予想できます。何とかリラードガードできる選手もいますし、4対3で不利になる状況をあえてつくらないのではないかと思います。

ブレイザースですが、トレントの攻守の活躍に期待です。特にレブロンとどれだけマッチアップできるのか。もし、彼が少しでもレブロンに守備で立ち向かう事ができれば1勝くらいはできるかもしれません。

アリーザとロドニー・フッドがいたら面白いシリーズになったのに、とも思います。

 

サムネイル画像:Photo by Getty Images