NBAプレーオフ延期:バブルで何がおこっていたのか?

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朝起きて、バックスが試合をボイコットしたニュースを見てビックリしました。現地のメディアも驚きを持って伝えています。30年キャリアがあるNBAレポーターは「前代未聞」だと言っていました。

バックスは新たにウィスコンシン州で起きた警察による黒人への暴力/発砲(殺人未遂)にプロテストするために、試合をボイコットしたとの事。この事件では黒人男性が子供たちの前で7発撃たれ重体。なんとか命は取り止めたものの、自分で立つ事はできないかもしれないそうです。

 

このバックスのボイコットを受けてNBAはその日の試合の延期を決定。その行動はMLB(特にミルウォーキー・ブリュワーズ)やサッカーリーグにも波及し、ボイコットをする選手やチームが出てきました。テニスの大坂なおみ選手も準決勝まで勝ち進んでいたトーナメントを辞退しましたね。

あまりにニュースが大きすぎて、重要な情報が五月雨でどんどん出てくるので、今日ここで一旦流れをまとめたいと思います。これを読めば現地で何が起こっていたのか掴めると思います。

 

バックスのボイコット

ミルウォーキー・バックスは、オーランド・マジックとのゲーム5の時間の16:00になってもロッカールームから出てきませんでした。17:00になり、NBAとNBPAはその日のプレーオフの試合は延期になったと発表。

ロッカールームにいたバックスは、ウィスコンシン州の司法長官と副知事に連絡を取り、警察の暴力に対し自分たちは何ができるか相談したようです。3時間後、バックスはロッカールームから出てきて声明を読み上げました。

内容を大きくまとめると: 警察の人種差別暴力があり変革が必要な中、また武装していない黒人やプロテストに参加した人たちが撃たれた。変革を求める声が大きいのに何もしていない。だから今日はバスケには集中しない、ミルウォーキーとウィスコンシンを代表してコートに立ち、マックスの努力とハイパフォーマンスをしてお互い責任を取り合っている。それを警官や司法にも求める。みんなも平和的で責任ある行動をとるようにお願いする、そして11/3(大統領選と州選挙)に投票に行け… というものです。

試合のボイコットでは約2.5億円の罰金が課せられる決まりですが、今回はそれもなさそうとのことです。

バックスのボイコットは独断で行われたもので、他チームやリーグや球団にも一切知らせていませんでした。これが後に問題になりますが詳しくは後述します。しかし、対戦相手のマジック、バックス、NBPA、他のチームたちはバックスの選手たちの行動を支持し、レイカーズ、ブレイザース、ロケッツ、サンダーそれにも続きました。実はラプターズとセルティクスの選手たちも密かにボイコットする事を話し合っていたそうです。

 

選手ミーティング

その夜、ホテルで選手ミーティングが開かれました。まずはZoomでジェイコブ・ブレイクの家族と話をすることがらはじまったそうです。そして、NBPAのプレジデントのクリス・ポール、そのVPのアンドレ・イグォダラ、クリッパーズのコーチのドック・リヴァースがスピーチへと続きました。

その中で、レイカーズとクリッパーズがシーズンを終わらせることを票決したそうです。バックスを含む他のチームはプレーを続けることを票決。ヒートのウドニス・ハスレムが、レイカーズとクリッパーズなしでどうやってシーズンを先に進めることができるのか聞いた時、レブロン・ジェームズが立ち上がってミーティングから出て行ったそうです。その2チームの選手たちもレブロンの後を追って出て行ったそうです。それを見た選手たちはショックを受けたとの事。

レブロンを含む他の選手たちの中には、バックスが誰にも相談せずに勝手にボイコットをした事をよく思っていない人たちもいたそうです。バックスは試合をしに会場に行き、ボイコットする予定はなかったそうです。試合をするために着替えをしていた選手たちもいましたが、選手たちが想いを明かしている内に突然決まったのだそうです。それについてはカイル・コーヴァーがバックスを代表して謝罪したそうです。

クリッパーズに関しては、パット・ビヴァリーが率先して票決を仕切っていたそうです。

ミーティングは3時間続き、終わりはひどいものだったそうです。クリス・ポールは選手たちにひとつにまとまることが大切だと訴えたそうです。

 

今後どうするのか

NBAには優勝を決める他に金がかかっています。全国放送の約1000億円、バブルをつくり維持するのに約180億円。オーナーたちも、これに対してCBAを破棄して来シーズンロックダウンに入る事もできます。コロナで厳しい財政状況になった今、オーナーたちはそれは望んでいないでしょう。それらを含む今後について緊急NBA理事会が明日の11:00に招集され、今後の対応が協議されます。金のこともあるので、オーナーとNBAは選手たちに歩みよるのではないかな、と思います。

レブロンはオーナーも人種正義の問題にもっと関わって欲しいと言ったそうです。レイカーズとクリッパーズはシーズン終了をレバレッジにして、オーナーにプレッシャーをかけて、何らかの改革実行プランを取り付けることもできます。バックスは選手たちのボイコットを受けて、ウィスコンシン州の司法と議会に警察の厳しいプロトコルを強制させる法令を通すように働きかけています。

また、レイカーズとクリッパーズのシーズン終了票決は意識調査のようなもので、最終決定ではないそうです。このように、チームでこういう行動をとってオーナーにもっと大きな行動を起こすように促す作戦なのかもしれませんね。レブロンがキャブス時代に1+1契約をし続けて、球団に金を使い続けるようにプレッシャーをかけた手法に似ていると思いました。レブロンにしかマネはできないと思います…

選手ミーティングはとても感情的だったので、また明日の11:00からミーティングを行うそうです。そこでボイコットの次にどうするのかや、延期とスケジュールが話し合われるのだと思います。

参考サイト:Lakers, Clippers vote to stop NBA season in emotional meeting
サムネイル画像:Photo: Jesse D. Garrabrant / NBAE via Getty Images