ヘッドコーチ スティーヴ・ナッシュ!!

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久しぶりに「Nash」の名前を見たと思ったら、なんとネッツのヘッドコーチに就任のニュースだった!

という突然のナッシュのニュースからだいぶ時間が経ってしまいましたが、どんな経緯でナッシュが選ばれたのか、現地ではどのように受け止められたのかまとめました。

リークなし

まずはリークが一切なし。これには現地のNBAレポーターたちがナッシュのヘッドコーチ就任と同じくらいに驚くほどでした。こんな大きなニュースに煙すら立たないなんて今どきないぜ、みたいな感じです。なにせそれまでは、選手たちのエゴをマネジメントできるタイ・ルーや、GMのマークスがスパーズで一緒だったグレッグ・ポポヴィッチを狙っているだの言われいましたので。それが突然「ナッシュに決まりました!」ですからね。そりゃ驚きます。(ナッシュに近しい選手たちは数週間前から”囁き”は聞こえて来ていたようです)

これが示唆することは、ネッツのフロントの統率がすばらしいという事です。ネッツは他にもドラフトピックなしでチームを再建しましたし、思っている以上にショーン・マークスGMが優秀なんだと思います。選手やエージェントはこう言ったところ見ているので、彼らからの信用を得るという意味ではリークなしでここまでできると言うのは大切なことです。ナッシュの性格も一部要因としてありそうです。

そんなニュースのブレークの白羽の矢が当たったのがESPNのWojです。
以下、彼のレポートした内容を中心にまとめました。

ネッツとナッシュ

まず、オーナーのジョー・サイは優秀でチームづくりをできるヘッドコーチを望んでいたそうです。スーパースターのケヴィン・デュラントとカイリー・アーヴィンがいますし、ヘッドコーチには彼らのリスペクトを得られる人物で、ヴィジョンを納得してもらえるコミュ力がなくてはいけないのが大前提です。

次に、GMのショーン・マークスはナッシュとサンズ時代に2年間いっしょにプレーしており(この時のサンズのGMが現ウォリアーズのヘッドコーチのスティーヴ・カー)、2人は今までもいろいろと話をしている友人のようで、ヘッドコーチ就任にはこの関係性が決め手になったようです。

そして、驚いたのはヘッドコーチの話はナッシュから持ちかけたそうです。

マークス:「ヘッドコーチの空きがあるという事で彼から連絡があった」

実はナッシュは1年くらい前からヘッドコーチをしたいと思っていたらしく、ショーン・マークスもそれは知っていたとの事です。

ナッシュはビジネスも家族も自分のペースでやって来ていたので、誰もいきなりヘッドコーチとしてNBAに戻るとは思いもしませんでしたが、子供も大きくなったので、そろそろNBAに戻る準備が整ったということでしょう。

下の写真は3歳になったナッシュの息子のルカくん。ナッシュはこの子が赤ちゃんだった頃、この子の成長を見たいので、NBAにはフルタイムで関わらないと言っていました。頭よさそう!

ナッシュとスーパースターたち

ネッツのヘッドコーチ探しの課題は、スーパースターで技術も経験もあるKDやカイリーをコーチできる人を探す事でした。まずは彼らがコーチのビジョンを受け入れてくれなければいけません。でなければビジョンどころか戦術の運用もきびしくなってくるでしょう。殿堂入りしてNBAで超一流のプレーをしてきたナッシュであれば、KDやカイリーも彼の言う事を聞く。そうなればチーム全体もまとまります。

特に、ケヴィン・デュラントはナッシュとも仲も良く、毎年夏にいっしょにワークアウトをしているそうです。KDはナッシュの事を「何でも話せる人で、とてもリスペクトしている人だ。彼のバスケットボール・マインドは見てきた中でベストだ」と話していました。KDが試合前にやっているルーティーンの中にはナッシュが教えたものもあるそうです。こう見ると、タイ・ルーや他のヘッドコーチ候補よりもネッツにはナッシュがピッタリハマるのではないでしょうか。

KDとナッシュの対談です。KDがナッシュをリスペクトしているのがわかります。

ナッシュの資質

ナッシュの評価ですが、みんなポジティブな意見です。30歳を超えて2年連続MVPを獲得していて、バスケットIQは誰よりも高く、リーダーとしてのコミュニケーション能力も、EQも高い… みんな口を揃えて言っているのが、彼はすばらしい「バスケットボール・マインド」を持っているということでした。

ウォリアーズのGMのボブ・マイヤーズが言うには、ウォリアーズのコンサルだったナッシュがコートに入ると、KDだけではなくカリーもクレイからもすぐにリスペクトされたそうです。それはロールプレーヤーだったカーにはできないことらしいです。そして、ナッシュは殿堂入りしているバスケのスターというだけではなく、大学ではトップレベルだった訳でもなかったですし、NBAのキャリアの最初はトレードされたりと、成功するまでの道のりが長かった遅咲の人です。だからナッシュはロールプレーヤーの気持ちも理解でいる上に、スターのリスペクトも得られると言う特殊な人で、それがマークスが言う「ナッシュはひとつ上のコミュニケーション」ができる要因なのでしょう。

マークス:「KDとカイリーは素晴らしいコミュニケーターを求めている。彼らは誰かリスペクトできる人を求めている… 関係性の多くはコートの外でつくられる。私が知っているスティーヴは究極のコミュニケーターだ。それが彼らが求めていたもので、そして彼らはそれを得た」

「ナッシュは今まででベストなチームビルダーだ。共感性がとても高く、ロースターの15人目の私やラインアップの隣のラジャ・ベルのことを考えてくれる。ジョー・サイが言っていたように、私たちには指揮者が必要だ。私たちはまさにそれを必要としていた。スティーヴは適任だ」

キャリス・レヴァートもそのワークアウトに参加をしたそうです。

他には… 元ナッシュとマークスのサンズ時代の同僚だったアミン・ハッサンによると、ナッシュはX’s & O’sはもちろん問題ないが、彼にはみんなが理解できるようにプレーを「シンプルな言葉にできる」という能力があるそうです。1番の強みはナッシュにとってバスケが全てではないと言うことで、バスケ以外のこともやっているKDもカイリーとはあらゆるレベルでコネクトできるという分析をしています。

またMVPとファイナルMVPのKDにまだ技術を教えることができる数少ない人で、今PnRをしているすべてのPGはナッシュのテープを見て研究しているとの事。PnRのタイミングやアングルや微妙なニュアンス等はなかなか普通のコーチでは教えられないのではないでしょうか。

ナッシュの元チームメイトのジャレッド・ダッドリーは、ナッシュはベンチも経験しているし、オースルターもスーパースターもすべて経験しているのが強みで、X’s & O’sは教えることができるけど、コミュニケーションは教えることができないので彼は良いヘッドコーチになると思うと言っています。

またナッシュはニューヨークが好きで、サンズ時代は夏はNYで過ごしていたそうです。ロスのマンハッタンビーチから彼を引っ張り出せるのはニューヨークしかなかっただろうとも。

下の写真はナッシュのマンハッタンビーチの家。マンハッタン好きなのかも 😄

ネガティブな意見としては、ナッシュがどうのこうのと言うよりも、これは「白人の特権だ」と言う人(スティーヴン・A・スミス 笑)もいます。他にもタイ・ルーやマーク・ジャクソン、サム・カセルらの黒人の候補もいるのに、経験のない白人を選んだのフェアではないとの意見です。才能のあるナッシュのせいでもマークスのせいでもないということもきちんと付け加えています。黒人にはこんなことは起こらないので、それをサポートしたKDやカイリーにも残念だとの一言。

 

でもナッシュのヘッドコーチ就任で、「彼は1度もヘッドコーチをしていないので成功できないのではないか、そんな甘くはない」と言っている人は聞きません。

ちなみにですが、選手から未経験でヘッドコーチになった人には、マーク・ジャクソン、ジェイソン・キッド、デリック・フィッシャーらがいます。後者2人は成功はまだしていないですね。スティーヴ・カーも未経験でヘッドコーチになりましたが、彼はサンズでGMをしていましたので、ヘッドコーチの仕事がどういうものか、球団はどう運営されているのかの理解はありました。しかし、ナッシュはNBAは未経験だとしても、カナダ代表のGMはしていましたし、コンサルとして働いていたウォリアーズで、コーチ未経験のスティーヴ・カーがどうマネジメントをしていたのかもいろいろと見たり話を聞いていると思うので問題はないと思います。それに、今のアドバンス・スカウティングや数字の理解などは普通の人よりもありそうなので、優秀なアシスタントやフロントのサポートがあればきっと乗り切れます。

(Photo: Noah Graham / NBAE via Getty Images)

また、ナッシュのコーチとしての最初の要求は、アトキンソンの辞任の後、インテリム・コーチとしてバブルでいい仕事をしたジャック・ヴォーンをアシスタントにする事だったそうです。アトキンソンから続いてくるネッツを知っている人がいることは良いことかもしれません。

ナッシュは試合の流れの読みや勘は良さそうなので、私も彼のコーチングを見るのが楽しみです。ナッシュは選手の強みを活かしてKDとカイリーのPnRをやってくると思っています(カーはあまりやりませんでしたが)。それを思い描いただけでウキウキしてきます 笑。まわりにはハリスをはじめ(再契約するのであれば)シューターを揃えれば止められる気がしませんね。「あれ?そうなると外もなくてスイッチできないジョーダンって実はあまりいらなくね?アレンもいるし」という時にナッシュのEQとコミュニケーションスキルが活きてくるのだと思います 😄

 

ネッツも来シーズンは最低でもプレーオフの準決勝には行きたいでしょう。しかし、イーストもバックス、ラプターズ、セルティクス、ヒートなどレベルがあがってきています。いきなりコーチ初年度から勝たなければいけないプレッシャーはかなりあると思いますが、KD、カイリー、ナッシュの3人でネッツをいいチームにしていって欲しいです。

ナッシュのアシスト・ハイライト

 

参考サイト:Why the Nets wanted Steve Nash to coach Kevin Durant and Kyrie Irving
サムネイル画像:Elise Amendola/Associated Press