レブロンの契約延長とADの再契約について

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レブロンとアンソニー・デイヴィスがそれぞれレイカーズと契約延長と再契約をしました。なぜレブロンは今のタイミングだったのか、そしてADはなぜ2+1でFAになれば35%マックス契約ではなく4+1を選んだのか解説します。

レブロン(35歳)の契約延長

レブロン・ジェームズが2年で約85.5億円の契約延長にサインしました。2023年の38歳でFAになります。その理由はいくつかあります。

まず、なぜ4+1年ではなく2年までの契約にしたかと言うと、CBAのOver 38ルールのためです。このOver38ルールは少々ややこしい条項で、契約が38歳を超えると、その超えた分はゼロにカウントされて、その分を38歳前の契約に分割して上乗せしなければいけないというものです。

レブロンが、今マックス契約を延長すると通常の場合は次のようになります。

2020/21:約39,2億円
2021/22:約41.1億円(←契約延長1年目)
2022/23:約44.4億円
2023/24:約48億円
2024/25:約51.8億円
2025/26:約56億円

それがOver 38ルールではサラリーは次のようになります。

2020/21:約39,2億円
2021/22 :約119億円
2022/23 :約122.3億円
2023/24:約0円(←38歳以上のサラリーの分割がはじまる)
2024/25:約0円
2025/26:約0円

しかし、これには問題があり、レブロンのような10年選手はキャップの35%または契約延長の前年度の105%が上限で、それ以上はもらえません。そのため、マックスをもらっているレブロンが2年を超えて契約すると、その上限よりもかなりオーバーしてしまいます。レブロンにとって2年の契約延長しか選択肢がなかったのです。

2つ目の理由として考えられるのが、契約延長した場合のサラリーが現在予想されているキャップよりも大きいということです。
実際にFAで再契約した場合の金額と、契約延長した場合の金額を比較してみると…

2021年にFAで再契約:約39.3億円(キャップの約112.4億円の35%)

2020/21:約39.2億円
2021/22:約39.3億円
2022/23:約42.4億円

トータルで約81.7億円

契約延長した時の2021年のサラリー:約41.1億円 (39.2億円の5%の1.9億円をプラスした金額)

2020/21:約39,2億円
2021/22:約41.1億円
2022/23:約44.4億円

トータルで約85.5億円

差額は約3.8億円になります。

このように、レブロン的には今このタイミングでの契約延長がトータルで最高金額をもらえる契約になります。

 

アンソニー・デイヴィス(27)

ADはプレーヤーオプションを取り下げてFAになり、レイカーズと5年で約190億円の再契約をしました。ADは7年目なのでサラリーキャップの30%がマックスになり、その内容は次のようになります。

2020/21:約32.7億円
2021/22:約35.3億円
2022/23:約37.9億円
2023/24:約40.6億円
2024/25:約43.2億円(ETO)

トータルで約190億円

2+1で10年目に35%マックス契約をすると思われていたので驚きでした。

2+1にした場合のサラリー予想は以下のようになります。

2020/21:約32.7億円
2021/22:約35.3億円

でトータル約68億円からの…35%スーパーマックスの5年は…

2022/23:約40.5億円(予定ではキャップは約115.7億円)
2023/24:約43.7億円
2024/25:約47.2億円
2026/27:約51億円
2027/28:約55億円

トータルで約237.5億円

この2つの契約を合わせると、約305億円になります。

なぜADはこうしなかったのか考えられる理由は2つあります。

まず、年齢。今のままで行くと、ADは31歳のプライム後半でFAになれ、まだスーパーマックスでの再契約が可能です。
その頃にはテレビ放映契約も変わり、今よりも大きなサラリーキャップになることが予想されているので、2022年でFAになって得られるマックスの金額よりも大きなマックス契約を得られ、トータル生涯サラリーも多くなるでしょう。

2+1で2022年でスーパーマックスを終えた場合、ADは33歳になっているので、その頃にスーパーマックスが得られるかは微妙です。特にビックは年をとるとともに衰えが出やすいので、35%フルで契約できるのは厳しいのではないでしょうか。ESPNのボビー・マークスが言うように、この場合、5年契約はOver 38ルールにもひっかかってくるので、それを避けたのかもしれません。

2つ目の理由は、本人も言っていましたが、ケガです。

2年契約も3年契約もできたかもしれない…現実も考えてみた。私にはちょっとしたケガのヒストリーもある。2年にした場合、自分に賭けるようなことになる

 

ADはケガが多いので、元チームメイトのデマーカス・カゥズンズ(アキレス腱からのACL)のようなケガに見舞われた場合、2年だとスーパーマックスを逃す可能性も考えていたのでしょう。

レイカーズでは71試合中62試合出場と悪くはありませんが、ペリカンズでは574試合中466試合しか出場できていません。

このように、ケガがあろうがなかろうが、生涯サラリーでは今フルで再契約した方が多くもらえる可能性が高いため、ADは5年契約を選んだのではないでしょうか。

 

レイカーズのキャップ状況

このレブロンとADの契約更新によって、2021/22シーズンは約161億円になります。

レブロンとADが3人目のスターを望むなら、2021/22シーズン前に2人ともFAになって、その分空いたキャップをスター選手の契約にまわして、2人はバードライツでマックス契約ができたはずです。レブロンのエージェントのリッチ・ポールによると、レブロンはそれには興味がなかったそうです。

これでレイカーズが3人目のスターを得る可能性はこれで限りなく少なくなりました。あるとすれば、クズマを約15億円などで契約延長してそれでトレードで得られる選手になります。例えばこのような選手たちです。

エリック・ブレッドソー 約18.1億円

キャリス・レヴァート 約17.5億円

ダヴィス・バータンス 約16億円

ウィル・バートン 約14.6億円

マーカス・スマート 約14.3億円

クズマのルーキー契約延長を大きくすれば、ザック・ラヴィーン(約19.5億円)あたりまで届くかもしれません。クズマ+KCPの組み合わせなら約30億円のマックスレベルの選手に手が届きそうです。しかし、ドラフトピックがないので、足元を見られる可能性もあり、このトレード交渉も難しいものになるでしょう。その場合はプレシーズンで活躍中のタレン・ホートン・タッカーもパッケージに含まれると思います。

また、そうするとタックスに入るのは確実なので、ジニーがどこまでタックスを行けるのかも興味深いですね。今年はすでにタックスに入っていますので、タックスを払い続けるつもりがあるのかどうかによっても、レイカーズの方針も変わってくると思います。

 

最後にレブロンのこの契約についての想いを聞いてください。

「この契約のベストなところは、私の長男が高校を卒表するのと私のFAが同じ年になるところだ」

今長男のブロニーは、シエラ・キャニオン高校の2年生で6’2”のガードです。CBAの高校規制が撤廃されて直でNBA入りできるようになれば、レブロンとブロニーが同じプロリーグで肩を並べて戦えるかもしれません。

2018年のレブロン

バスケ選手として私の人生のNo,1だ。人生で最大の達成は何かと聞かれれば、NBAで息子と同じコートに立つことだ


参考サイト:Los Angeles Lakers’ Anthony Davis says he wanted long-term deal due to injury history
サムネイル画像:Photo by Kim Klement/USA TODAY Sports