ラメロ・ボールはどれだけスゴイのか?

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2020年のドラフト3位でホーネッツに指名されたラメロ・ボールが、2020年ドラフトクラスの中でも特に活躍が目立ってきました。史上最年少トリプルダブル達成記録を塗り替え、平均得点14.6、リバウンド6.2、アシスト6.1、スチール1.5、3P%は.354となっています。これは現時点で1位指名のアンソニー・エドワーズや2位のジェームズ・ワイズマンよりも良く、彼が1位指名されるべきだったのではないかと言える数字です。

そんな彼はいったいルーキーとして、どれくらい素晴らしい選手なのでしょうか。ザイオンと比べてどうなのか?過去の10代の選手と比較してみました。

 

その前に、ルーキーとはなんなのでしょうか?NBAのルーキーとはただ1年目の選手という意味だけではないようです。

ジョン・ホリンジャーのルーキーの定義は:

ファンは自分のチームのルーキーに対してとても思い入れが強く、ポテンシャルがあるはずだと自分自身に言い聞かせてしまう。

ほとんどは下手。19歳でまともなNBA選手の半分まで言っていれば、25歳の時にはすごく良い選手になっている確率が高い。

代替できないレベルのルーキーはほんの一握りしかいない。

ホリンジャーの言いたいことは、ルーキーがミスをするのは当たり前で、いきなり活躍するルーキーの方が少ないということでしょう。特に10代の選手は、体も経験もまだまだなので、NBAの世界最高レベルのアスリート相手にかなわないのも無理はありません。チームもファンも少なくとも3年くらいは失敗を許しながら様子を見て欲しいですね。とくにMVPをとったカリーやヤニスらはドラフト7位とか15位でしたので、本当に若者がどう化けるかはわかりません(途中で片鱗は見せていますが…)。

そんなルーキーですが、毎年必ずチームや勝利にインパクトを残すルーキーたちが出てきています。最近ではマブスのルカやグリズリーズのジャ・モラントが記憶に新しいと思います。

では、2020年のルーキークラスで活躍できているルーキーはいるのでしょうか?通常はザイオンやルカのようにドラフト前から他選手よりも頭ひとつ評価が抜け出す選手がいるものなのですが、2020年のルーキークラスは他よりも傑出したルーキーがいないと言われていました。よく言われていたのが、「今年のルーキーの1位は、去年のザイオンやモラントには及ばない」です。

しかし、それがいたのです。それも彼らよりも良い数字を叩き出しているルーキーが。

それがラメロ・ボールです。

ラメロのPERとBPMを、ラメロと同じドラフトクラスで彼よりも前に指名されたNo.1のアントマンとNo.2のワイズと比べてみます。

PLAYERSEASONAGEMINPERBPM
アンソニー・エドワーズ2020-211974410.6-5.3
ジェームズ・ワイズマン2020-211941915.1-4.1
ラメロ・ボール2020-211977618.22.8

圧倒的にラメロが優秀ですね。
*BPMの基準は0で、+2.0~良い選手、4.0~でオールスターレベルだと言われています。マックスは10.0

 

では、このラメロの数字は、過去のルーキーたちと比較するとどんな数字なのでしょうか?

スリーポイント時代になってから最低500分プレーした選手の中では、PERは9位、そしてなんとBPMは4位になります!更に、10代でPERを最低でも15.0 & BRMを最低でも1.0出している選手はたったの10人しかいません。ボールはその11人目になろうとしています。

スリーポイント時代の10代のトップルーキー(*2/16までの数字)

PLAYERSEASONAGEMINPERBPM
カイリー・アーヴィン2011-12 19155821.44.1
トレイシー・マグレディー1998-9919110620.64.1
ルカ・ダンチッチ2018-1919231819.63.9
ラメロ・ボール2020-211970118.22.8
アンソニー・デイヴィス2012-1319184621.72.5
アンドレ・ドラモンド2012-1319124321.62.5
ザイオン・ウィリアムソン2019-201966824.12.1
レブロン・ジェームズ2003-0419312218.31.7
コービー・ブライアント1997-9819205618.51.4
ジェイソン・テイタム2017-1819242815.31.2
ケヴィン・ガーネット1995-9619229315.81.0

*コービー、レブロン、マグレディーは2シーズン目の数字です。

 

こうしてみると、そうそうたる顔ぶれが集まっていますね。そんな中にラメロが入っているのです。この中では、ザイオンを除いたみんながオールスター経験者で、殿堂入りが確実な選手が多いですね。ラメロはスター性もあるので、オールスターどころか殿堂も狙えるレベルの選手になれるかもしれません!

そして話はそれますが、ドラモンドが入っています!今はトレード先がなかったらバイアウトされると言われているドラモンドは、ルーキー時代はこんなにすごかったんですね… 時代の波とはおそろしいものです…

他にもラメロは良い数字を持っていて、リバウンド率は11.5%とリバウンドがうまいです。ウェストブルックのようにグラブ&ゴーで走れます。またボールスキルとクイックネスもあり、読みがいいのでスチール率も2.7%と高い(ゲーリー・ペイトンの生涯スチール%は2.69)です。

そして、チームメイトのゴードン・ヘイワードによると、ラメロは思っていた以上に背が高く、いつでも笑顔でバスケを楽しんでいるので、みんなが彼とプレーしたがるそうです。

 

ラメロ・ボールが3位指名になった理由はいくつかあり、外的要因としては、ウルブスのチーム内事情が大きく影響したようです。ウルブスは、ディアンジェロ・ラッセルがラメロとプレーしたくないという理由でラメロをパスしました。ワイズマンもKATとかぶります。もともとアンソニー・エドワーズを高く評価していなかったのか、ウルブスは指名直前ギリギリまでNo.1ピックをトレードに出そうと試みていたようです。

2位のウォリアーズのフロントとオーナーはワイズマンの運動能力をたいへんに気に入っていたそうです。ワークアウトでシュートが改善されていたのもプラス要素としてあったでしょう。

また、ラメロがチームとのインタビューで良い印象を残せていないという下のようなレポートもありました。

 

そのような理由もあり、ラメロは3位まで落ちてきました。6’6″でパスのセンスとバスケIQの高さを兼ね揃えた選手はそうそういるものではないので、ホーネッツにとっては彼が3位で手に入れることができたのはラッキーだったのではないでしょうか。

またラメロが見過ごされた理由のひとつに、オーストラリアリーグでのスリーが27.9%で、フリースローが70%というシュート不安要素が大きく注目されてしまったのもあると思います。誰も彼がこんなにも早くNBAの試合でスリーを7本も決めるなんて思いもしなかったでしょう。それが嬉しい誤算だったにしても、数値化できる運動能力を優先せずに、目には見えにくいけれどスキルのゲームの時代にマッチするバスケIQやセンスに賭けたホーネッツは讃えられるべきでしょう。

ホーネッツのオーナーに2009年になってから12年。マイケル・ジョーダンは10回目のドラフトでようやくスーパースター選手を引き当てたのかもしれません

 


参考サイト:LaMelo Ball is keeping historic company with LeBron, Kyrie, Kobe and KG