トレード考察:シカゴ・ブルズ

Browse By

シカゴ・ブルズは、このトレードデットラインでプレーオフを目指す明確な意思を持っていることをリーグに見せつけました。プレーオフに行かないと来シーズン終わったらFAになるオールスターのザック・ラヴィーンに出ていかれてしまうからです。

ある意味、ブルズはザック・ラヴィーンのこれからの成長に賭けたと言っていいでしょう。彼はプレーオフにまだ一度も行っていないので、ここでチームを改善してプレーオフを行く姿勢を見せておかないと、来シーズンにトレード要求もあるかもしれません。

彼は今も契約延長もできますが、ブルズの様子見と、FAになると契約延長金(最大4年で約104.8億円)よりもかなり大きなマックス級の金額(マックスは5年で約197.1億円)を得られるので、最終的にはトレード要求かFAの二択になると思われます。ブルズはバードライツを使って彼と再契約することを計画していると思います。

ブルズのトレードの詳細です。

ブルズ獲得:
・ニコラ・ヴチェヴィッチ(約26億円)
・アルファロク・アミヌ(約9.7億円)

マジック獲得:
・ウェンデル・カーター(約5.4億円)
・オットー・ポーター(約28.4億円)
・2021年の1巡目指名権、2023年の1巡目指名権(トップ4プロテクション)

ブルズにとっては良いトレードだったと思います。トレードで出したカーターもベンチに下がり、ポーターはケガのためほとんど使われていませんでした。スターターの選手をあきらめないでオールスターのヴチェヴィッチを獲得できたのは大きいと思います。アミヌのサラリーを引き取らなければいけませんでしたが、仕方ないでしょう。

ラヴィーンとヴチェヴィッチの相性は良さそうで、PnRやPnPは破壊力がありそうです。すでにレポーターたちの間ではブルズの試合は面白くなるという声は多く、イーストでもネッツのBIG 3に次ぐオフェンス破壊力があるコンビになると言っている人もいます。

問題はディフェンスですね。ディフェンス重視でヤングをスターターに残すのか、守れないけどオフェンスに全振りしてマーカネンをスタートさせるのか気になります。

VPのアートゥラス・カーニソヴァスがヴーチのトレードについて:「私たちのプレースタイルにニコラを加えるのは簡単だ。なぜなら私たちはオフェンスに自由な流れを取り込んでいて、ボールの動きと判断が多いからだ。彼はローポストから点もとれる。スリーからも点がとれる。彼はファシリテイターだ。彼のいちばんの良いところは、他の選手のためにプレーを作れることだと思っている。彼は25点12リバウンドできる選手でもある。だから私たちはとてもエキサイトしている」

 

そして、ブルズは別のトレードでセンターを獲得しました。

ブズル獲得:
・ダニエル・タイス(約5億円)
・ジャヴォンテ・グリーン(約1.5億円)
・トロイ・ブラウン(約3.3億円)

セルティクス獲得;
・ルーク・コーネット(約2.2億円)
・モー・ワグナー(約2.1億円)

ウィザース獲得:
・ダニエル・ガフォード(約1.5億円)
・チャンドラー・ハッチソン(約2.4億円)

なぜウィザースがここに入っているのかはわかりません。セルティクスはストレードにブルズとトレードしても良かったはずです。おそらく、ブルズがトロイ・ブラウンを欲しがったのか、セルティクスがワグナーを欲しがったからだと思います。

セルティクスはフォーニェをトレードで獲得してタックスを超えてしまったので、サラリーを削らなければなりませんでした。本来はタイスよりもまだ来年の約9.7億円の契約が残っているトリスタン・トンプソンをトレードしたかったのでしょうが、彼やグラント・ウィリアムズらの引き取り手がいなかったのでしょう。それで止むを得ずタイスを出したのではないでしょうか。

ブルズがなぜタイスを欲しがったのかは謎です。すでにヴーチはいますし、ヤングという優秀なバックアップもいます。ホーネッツの方がよほどCを欲しがっていたと思うのですが… ひとつ言えるのは、タイスの契約は今年までなので、来年のサラリーキャップを空けらます。もともといたハッチソンは来シーズン約4億円残っていたので、これでちょっと来シーズンのサラリー整理ができました。

(Photo by Greg M. Cooper/USA TODAY Sports)

 

これで、ブルズのサラリーは約127.9億円になり、タックスまで約4.6億円です。来シーズンはキャップホールドを入れると約164億円になりますが、ノン・ギャランティーのサトランスキ、フェリシオ、マーカネン、タイス、テンプル、ヴァレンタイン、RFAのマーカネンとグリーンを抜かせば7人で約90億円になり、キャップスペースは約22億円になります。

このキャップルームでPGを狙う予定なのかもしれません。今年のPGのFAは、クリス・ポール、マイク・コンリー、カイル・ラウリー、ゴーラン・ドラギッチ、デニス・シュルーダー、スペンサー・ディンウィディー、ロンゾ・ボール、デリック・ローズらがいます。ロンゾのオファーシートにサインしても良いでしょうし、ベテランPGと年間約20億円の2年+1の契約などもありかもしれません。ベストな選択肢は若いロンゾでしょう。

一時はRFAのラウリ・マーカネンのトレードを模索していたようですが、トレード先を見つけられなかったようです。GMのカーニソヴァスはシューターを欲しがっているそうですし、もうマーカネンをキープすればいいと思います。

整理すると、ラヴィーンのマックス(たぶん)が入ってくる2023年のサラリーは、ヴーチ、ラヴィーン、ホワイト、ウィリアムスの4人で約78億円になります。そのため、マーカネンと今年再契約するなら、2023年のキャップルームには優秀なPGと契約するほどお金が残らないので、今年のオフシーズンにPGを獲得してキャップを使っておかなければなりません。そうなると、夏の優先順位No.1はPG獲得で、No.2はマーカネンになります。PG獲得で感触が良くなければ、マーカネンをキープして、後のPGのトレードのアセットに使うこともできます。

ブルズの未来にとってこのオフシーズンは結構重要です。ラヴィーンにやる気を見せなくてはいけません。その点に関しても、カーニソヴァスも「私たちはコンペティティブなカルチャーをつくる事に真剣だ。だからこのチームが良くなるチャンスがあれば、私たちはそれを狙っていく」と言っているように、積極的な姿勢をとって行くつもりのようです。

ブルズは現在プレーイン圏内の10位につけています。5位のニックスまで3試合差です。レポーターたちの中には、ブルズはまだホークス、セルティクス、ヒート、ラプターズには及ばないという意見を持っている人たちもいます。そうなると、ブルズはペイサーズ、ニックス、ホーネッツらとプレーオフを賭けてプレーインで争うことになります。はたしてブルズはプレーオフに行ってラヴィーンをハッピーにできるのでしょうか?