トレード考察:トロント(タンパ)・ラプターズ

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今年のトレードの最大の目玉はラウリーでした。ESPNのザック・ロウも、今年のトレード・デットラインでは、ラウリーがリーグの勢力図を変えられる唯一のトレード候補だと言っていました。地味なのか、トロントが本拠地だからか、ラウリーがあまり話題になることがありませんが、実はそれほど素晴らしい選手です。

ラプターズのプレジデントのマサイ・ウジリは、これまで球団に大きく貢献してきたラウリーの意思を汲んで、トレードするならラウリーの希望先へ出すと言われていました。その有力候補は:ラウリーと仲が良いジミー・バトラーがいるヒートと、ラウリーの故郷のシクサーズです。

ラウリーは、ボールハンドラーで、パスがあり、シュートもでき、守備も素晴らしく、何よりもアンダードック精神が強いため、ラウリーが加入することにより、ヒートもシクサーズも今よりも確実にネッツに対抗できるようになるはずです。

トレード前の試合後は、ラウリーは珍しく長く記者会見をし、ドレイクまで登場して、なんとなくこれがラプターズ最後なんじゃないかという雰囲気でした。

 

しかし、結局ラウリーはトレードされませんでした。

 

では、ラプターズの当日のトレードを見ていきましょう。

そして、ラプターズはトレード・デットライン数時間前に2つの小さなトレードをしました。

ラプターズ獲得:
・2021年の2巡目指名権とTPE

ジャズ:獲得:
・マット・トーマス(約1.5億円)

 

ラプターズ獲得:
・2021年の2巡目指名権とTPE

キングス:獲得:
・テレンス・デイヴィス(約1.5億円)

この2つのトレードでは選手のリターンがなかったので、ロスターを空ける動きだと見られていました。ラウリーの巨額の約30.5億円のサラリーにマッチするには、トレード相手は最低でも約23億円は出さなければいけないため、ラプターズは出すよりも多くの選手を引き受けなければいけないからです。最低でも2~3人のパッケージに入れるはずです。

 

そして、予想通り来シーズンFAでサラリーが高くなりそうなノーマン・パウェルをブレイザースにトレードしました。

ラプターズ獲得:
・ロドニー・フッド(約10億円)来シーズンはノンギャランティー
・ゲーリー・トレント(約1.6億円)来シーズンはRFA

ブレイザース獲得:
・ノーマン・パウェル

トレントは年齢もパウェルより5歳若く、オフシーズンにRFAになりますが、約20億円と言われるパウェルのサラリーよりも低いはずなので、トータルでは良いトレードだと思います。これはラウリーとは関係がないサラリー・マネジメントのために独立したトレードです。

そして、トレントの父も1988年にブレイザースからラプターズにトレードされたそうです。それでもすごい偶然ですが、それだけではありません。なんとトレント親子そろってNBA3年目の41試合後にブレイザースからラプターズにトレードされたのだそうです。運命としかいいようがありませんね。ちなみに、ジュニアは父がラプターズにトレードされて11ヶ月後に生まれたそうです。

 

その後、ウラリーのトレードにレイカーズも交渉していてTHTを入れないため交渉が決裂したとか、クリッパーズも交渉をはじめたなどのレポートが出はじめました。そして、シクサーズがサンダーからジョージ・ヒルをトレードしたとのニュースが出たので、これでラウリーはヒートへトレードされると思れました。

しかし、この後このまま何も起こらずにトレード・デットラインが過ぎました…

ラプターズは、FAでカワイ・レナード、サージ・イバカ、マーク・ガソル、ダニー・グリーンにタダで出ていかれているため、ラウリーからは何かそれなりの見返りを求めると思っていたので、驚かされました。それについてウジリは、ラウリーに見合うリターンが得られなかったと言っています。

ウジリ:「もし私が彼(ラウリー)の価値を高く設定していたら許してほしい。ヘイ、それが今日私が信じていることだ」

ヒートのサラリーキャップを見ると、約23億円のキャップルームがあり、ラウリーの希望すると言われているサラリーとほぼ同じです。そのため、ヒートは若手や指名権を犠牲にせずに夏まで待てばいいので交渉では強気に出れます。レイカーズも、ラウリーの数ヶ月のレンタルのためにキャップがいっぱいでバードライツがありまだ安いTHTをトレードしたくないのは理解できます。

これで本当にラウリーはFAで歩かれてしまい、ラプターズには何も残らない可能性が高くなりました。リターンを望むなら、オフシーズンにラウリーをサイン&トレードするしかなくなりましたが、ヒート、シクサーズはどう出るのでしょうか。

 

では、そんなラプターズのサラリーキャップを見て行きましょう。

サラリーは13人で約127.1億円になり、ロスターが2つ空いています。今年の2way契約はコロナのため日数制限がなくプレーオフまで持っていけるので、来シーズン以降もチームに貢献できると判断されない限り、NBA契約にコンバートすることはないでしょう。

ラプターズは守備が素晴らしいですが、リバウンドが弱くリーグ最下位です。リバウンドできるセンターが欲しいですね。バイアウトかGリーグに誰かいないのでしょうか。デマーカス・カゥズンズ?なんとなく、彼とラプターズは合いそうにないのですが(完全な感想ですね笑)、この際いないよりもいた方がいいので契約しちゃってもいいのではないでしょうか。(クリッパーズがカゥズンズと10day契約をするそうです)

来シーズンはパスカル、FVV、アヌノビー、ブシェー、フリン、トレントのキャップホールドで約80億円になります。ラウリーのキャップホールドを入れると約119.3億円になり、サラリールームがなくなります。トレントもサラリーマッチをするつもりで獲得したでしょうから、彼のサラリーも追加されます。ラウリーにも希望とされている2年で約50億円の契約をするとしましょう。そうすると彼らだけで約118億円くらいはいきそうです。7人くらいをタックスまでの残り約18.6億円で集める感じでしょうか。

または、ラウリーがFAで出ていけば約88.9億円になり、約23億円が残ります。これで来シーズンの補強ができます。

その場合狙っていくのは、ガード/PGではマイク・コンリー、デマー・デローザン(!!)、ヴィクター・オラディポ、ドラギッチ、シュルーダー、フォーニェ、バートン、Cならラショーン・ホームズあたりでしょう(課題がリバウンドなので、ここで大きくセンターに使っても良さそうです)。ほとんどのセンターはサラリーが高くないので、MLEを使ってタイスやノエルを狙えます。

とは言え、この金額でスター選手は得られないので、ラウリーがいなくなれば、中心選手はFVV、パスカル、アヌノビーと今と変わりません。これらの選手は優勝候補チームに行けば2番手〜3番手の選手です。それでネッツ、シクサーズ、バックス、ヒート、セルティクスらのチームと渡り合えるかと言うと…厳しいのではないでしょうか。いずれにしても、ラプターズの躍進にはパスカルの更なる成長にかかっていそうですね。


サムネイル画像:Photo by Douglas P. DeFelice / GETTY IMAGES