2021年のトレード・デットライン特集もこれでラストになります。他にもいろいろありましたが、今回はちょっとキャッシュトレードまわりのマニアックな動きを紹介していこうと思います。
ゴールデンステート・ウォリアーズ
タックスを超えているウォリアーズは、今年調子が出ない(システムにフィットしない)ブラッド・ワナメイカーをホーネッツへトレードしました。サラリーダンプですね。勝率が5割あたりになると彼のタックスを払うまでもないという判断でしょう。
ウォリアーズは、ホーネッツに約1.6億円のワナメイカーを引き取ってもらうために約2.2億円を渡しました。
また、ウォリアーズは今シーズンはケガで全休になるマーキース・クリスをスパーズにサラリーダンプします。そのお返しにウォリアーズはスパーズに約1.85億円を渡しました。
結果、ウォリアーズは4億円を使ってサラリーとタックスの約12億円を節約したことになります。
それでも今サラリーは13人で約168.7億円とタックスから約36億円も出ています。そうなるとタックスの支払いは約114.6億円になり、トータルで約283億円以上になります。無観客で収益がないため、タックスはこれからその分割引かれますが、プレーオフに行けないかもしれないチームに見合うタックス金額ではないため、少しでも負担を減らそうとたのでしょう。
約9.3億円のDPEもありますが、それも4/19に切れます。節約に走ったウォリアーズはDPEを使わない可能性が高そうですね。ロスターも2枠空いていますが、プレーイン/プレーオフに向けて点を取れるリヴァースや他のFAとお金を出して契約するのでしょうか。

マーキーフ・クリス(Photo by Cary Edmondson/USA TODAY Sports)
ロサンゼルス・クリッパーズ
ハードキャップまで約5000万円とギリギリだったクリッパースはカベンゲルの約2億円のサラリーを約2.75億円払ってキングスにサラリーダンプしました。
そして、クリッパーズはホークスと約8億円のルーを約8.25億円のロンドのトレード(ハードキャップなのでサラリーの計算ではボーナスも含めなくてはいけません。ボーナスは約7500万円)をします。クリッパーズはホークスに2つの2巡目指名権と約1.25億円を渡しています。
これでクリッパーズのサラリーは約136億円になり、タックスを約3.9億円超えました。ハードキャップまでまだ約2.2億円あります。デマーカス・カゥズンズと10Day契約をするようですが、NBA契約にコンバートも可能です。
ヒューストン・ロケッツ
ロケッツはハーデンのトレードで約10.6億円のトレード・エクセプションをつくっていました。ヒートとのトレードで得たエイヴリー・ブラッドリーのサラリーはそのトレード・エクセプションを使って吸収したようです。今そのトレード・エクセプションはまだ約5.1億円残っています。タンクしているので使うことはないでしょう。
オラディポのトレードで約8.2億円のトレード・エクセプションをつくりました。
オクラホマシティー・サンダー
サンダーは、ジョージ・ヒルのトレードで約9.6億円のあたらしいトレード・エクセプションをつくりました。
これでサンダーのトレード・エクセプションは:
・約27.5億円(8/8/2021まで)
・約12.8億円(2/2/2022まで)
・約10.1億円(8/9/2021まで)
・約9.5億円(2/11/2022まで)
・約1.5億円(8/10/2021まで)
・約0.9億円(7/19/2021まで)
・約0.86億円(7/27/2021まで)
・約0.85億円(8/1/20021まで)
・約0.3億円(8/7/2021まで)
*日付は変更する可能性あり
サンダーにはドラフトアセットだけではく、こんなにもエクセプションがあるのですね。
MLEとBAEを合わせると11のエクセプションになります。
ちなみにドラフトアセットは2027年まで37あります。
・自分の1巡目指名権が6
・自分の2巡目指名権が6
・他チームからの1巡目指名権が13(スワップが3)
・他チームからの2巡目指名権が12
あと7年後には、KD、ウェストブルック、ハーデン、イバカの再来が来るのでしょうか。

サンダーGM サム・プレスティ(Photo by Sue Ogrocki/Associated Press)
バイアウト
ラマーカス・オルドリッチは、スパーズに約7.25億円払い戻しました。スパーズはこれでタックスを躱すことができました。これにより、スパーズはウォリアーズからマーキース・クリスのサラリーを引き取る代わりにキャッシュ(約1.85億円)を得て、更にオルドリッチが抜けた穴を埋めるためにFAのゴーギィ・ジェンと契約をすることができました。
これでスパーズのサラリーは約127億円でタックスまで約5.5億円になりました。オルドリッチのおかげですね。もしかしたら、彼の契約延長をする時に事前にトレードやバイアウト合意も話し合われたのかもしれません。そうでないと約7.25億円もどうして返すのか理解できません。
Thank you, LA! 🙏 pic.twitter.com/MSqLbuP2sT
— San Antonio Spurs (@spurs) March 25, 2021
アンドレ・ドラモンドはバイアウトでキャブスに約7,945億円を返しました。ウェイバーをクリアしたら、ドラモンドはレイカーズからその金額をもらえるので損はしません。
ゴーギィ・ジェンも同じようにグリズリーズに約6,999億円を返しました。
オースティン・リヴァースはサンダーからウェイブされました。彼にはまだ2年のノンギャランティーの契約が残っています(約3.3億円と役3.1億円)。タックスまで約3億円のチームやエクセプションがあるチームは彼をクレイムすることができます。トレード・エクセプションで約3億円残っているのは、ブルズ、マブス、ナゲッツ、ペイサーズです。ナゲッツはタックスまで約4億円なのでロスターを空ければリヴァースを取ることができます。
参考サイト:Will Nets, Lakers be haunted by Ghosts of Buyouts past? Plus: Analyzing Thunder’s Moses Brown and FSU’s Scottie Barnes
サムネイル画像:Photo by Nell Redmond/USA TODAY Sports