コロナのパンデミックで延期になっていた2020年の殿堂入りセレモニーが無事に5/16(米時間)に開催されました。2020年クラスの殿堂入りをするNBA選手には、コービー・ブライアント、ティム・ダンカン、ケヴィン・ガーネットと、例年以上の華やかな顔ぶれになっています。
また、亡きコービー・ブライアントの偉業を称える場にもなるでしょう。
会場にはコービーの家族や、コービーを称えた展示会も用意され、主催のネイスミス・メモリアル・バスケットボール・ホール・オブ・フェイムもコービーへ最上級のリスペクトを払っています。
そして、コービーのプレゼンターはマイケル・ジョーダンが務めました。
コービーのプレゼンターは、シャックかジョーダンかと言われていましたが、コービーの妻のヴァネッサ・ブライアントがジョーダンにプレゼンターを頼んだそうです。
その時のやりとりは次のようなものだったそうです。
ジョーダン:「これが大変な時期だとわかっている。私が必要な時はいつでも言ってくれ」
ヴァネッサ:「コービーのために殿堂でプレゼンターになってくれたらうれしい」
ジョーダンはそのことについて、「正直、すごく光栄だ。これはファミリーのためにやるようなものだ。彼は私がやった特定のことをマネしようとすることで、私に最上級の敬意を示してくれた。このゲームをプレーした最も偉大な人ひとりとして感じている彼に私ができることは、彼へのサポートと敬愛でお返しをすることだ」と言っています。
殿堂セレモニーでプレゼンターを務めたジョーダンと、コービーのために殿堂入りスピーチをするヴァネッサ。
ちなみに、ティム・ダンカンのプレゼンターは元チームメイトのデヴィット・ロビンソンがプレゼンターを務めます。引退会見もしなかった程自分のことについて語らないので、彼のスピーチも注目されていました。
ケヴィン・ガーネットは、アイゼィア・トーマスをプレゼンターに選びます。KGがNBAに入った時にはトーマスは引退していたので、2人はあまり接点もなく見えますが、実はふたりともシカゴあたりの高校に通っていたそうです。そのような縁もあり、KGに高校から直でNBAに入れと助言したのがトーマスでした。その時はトーマスはラプターズのVPで、KGをドラフトで狙うほどKGの才能を買っていたそうです。「今だったらタンパリングと呼ばれるものだ」とジョークで会場を笑わせました。
話がそれてしまいました。肝心なコービーとジョーダンの関係に話を戻しましょう。
ジョーダンはコービーのことを話す時に、まだちょっと感情的になってしまうそうで、セレモニーデどうやって平静を保とうか心配していると認めています。時間はたちますが、まだ深い悲しみは心に残っているようです。
ジョーダン:「最初はナーナスになるんじゃないかと考えていたけれど、すごく愛していた人のことで感情的になるのを見せることでナーバスにはならないと気づいた」「私の人間的な側面 — みんな私もそれを持っていると忘れがちだ」
昨年のコービーの追悼式で涙を流したジョーダン:
そんなジョーダンが、コービーと最後にやりとりしたテキスト(メッセージ/SMS)の内容をESPNのジャッキー・マクミランに明かしました。
それは、コービーがヘリコプターの事故で亡くなる49日前の2019年の12月8日だったそうです。
このテキーラはすばらしいね(ジョーダンがNBAオーナーたちとつくっているCincoroというテキーラのこと)
サンキュー、マイブラザー
イェッサー。家族はどう?
ぜんぜんいいよ。あなたの家族は?
すごくいいよ
ハッピー・ホリデーズ!じきに会えるといいね、コーチ・コービー??😂
こちらこそ
ヘイ、コーチ。私は今ベンチに座っていて、相手チームに圧勝してる。45-8
ジョーダンは、ジジのチームが相手を圧倒しているというこのコービーのメッセージが、コービーのコンペティティブな本質をよく表していて気に入っているそうです。
ジョーダン:「なぜかわからないが、消すことができない」
ジョーダンのコービーへの想いは私たちが思っている以上に深いものがありそうです。私もまだコービーがいなくなったことを信じられないでいます。もし彼がいたら何て言うだろうと思うと残念でなりません。RIP… Kobe 🙏
最後に、コービーの妻のヴァネッサ・ブライアントの殿堂入りスピーチです。
「達成した。あなたは殿堂に入った。あなたは真の王者だ…あなたはただのMVPではない。もう史上もっとも偉大な選手になった。とても誇りに思う。永遠に、いつも愛している、コービー。ビーン。ブライアント。」
参考サイト:The last communication between Michael Jordan and Kobe Bryant
サムネイル画像:Photo by Jennifer Pottheiser/Getty Images