セクストンとキャヴァリアーズ

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トレードが落ち着いたからか、先週まだ契約できていないキャヴスのRFAのコリン・セクストンに注目が集まりました。そのため、キャヴスドットコムとザ・プレイン・ディーラー紙のクリス・フィダーが様々なポッドキャストに出まくり、セクストンの状況について語っていたのでまとめました。

コリン・セクストンの状況

まずはセクストンの状況について。

セクストンは、身長がおよそ6’1”で、ウィングスパンはおよそ6’7”のガードです。今はどちらかというとPGよりもSGと紹介しているウェブサイトも多いです。フィダーによると自称「2」だそうです。

数字は、キャリア4年で平均32.9分出場で平均PERは15.0、BPMが平均-2.5、去年のEPMは-1.5、キャリア平均得点20.0、キャリア平均アシスト3.3、キャリア平均ターンオーバー2.5。2020-21シーズンは35.3分出場で24.9得点、4.5アシストと素晴らしい数字を残しています。

しかし、その後の2021-22シーズンは13試合出場して左膝のACL損傷(フィドーによると、ひどい損傷だったとのこと)してしまいました。NBA選手のACLの手術からの復帰は6~9ヶ月だそうですが、クレイ・トンプソン、カワイ・レナード、ジャマル・マリーらを見ると、最低1年は欠場しているので、去年の11月にケガをしたセクストンが今シーズン開幕までには復帰できるのかはわかりません。早く復帰したとしても本調子でのプレーはできないのではないでしょうか。復帰についてちょっと調べましたがまだ情報は出ていないようです。

2021年にルーキースケール契約延長の交渉をしていましたが、金銭面でキャブスと合意に至ることができなかったため、現在RFAになっています。フィドーによると、その契約延長ではセクストンは4年$100Mを希望していましたが、$100Mに固執してもいなかったそうです

そして、今RFAでどのチームからのオファーもなく、このまま行けば彼にとっての選択肢は、(1)キャブスのオファーの3年$40Mを受けるか、(2)QOの$7.2Mを受けて来年FA市場に出て行くか、(3)サイン&トレードになります。サイン&トレードはBYCの縛りがある&ほとんどのチーム(KDとミッチェルを狙うチーム以外)がロスターづくりを終えているため、現時点でのトレードはむずかしそうです。

キャヴァリアーズの状況とセクストンへのオファーについて

キャヴスのサラリーキャップは現在15人で$138.89M。タックスまで$12.99Mになります。セクストンと契約すると誰かを切らないといけなくなります。

フィドーによると、キャヴスは確実にプレーオフに行けるチームでなければタックスは払わないそうで、セクストンにオファーした年平均$13Mの契約金は、キャヴスのタックス状況と連動しています。

Bleacher Reportのジェイク・フィッシャーによると、キャヴスは最初は$12M~$15Mのレンジを考えていたそうですが、ルビオとの契約などでロスターをつくって行くうちに$15Mのオファーはなくなったそうです。そして、今年の春頃には6MOY受賞したこともあるジョーダン・クラークソンの$13.4Mがセクストンへのオファーの基準になったそうです。これはキャヴスがセクストンを6マンだと見ていることも関係しているようです。

なぜキャヴスがセクストンを6マンにしたいかですが、オールスターでルーキー契約延長をしたダリアス・ガーランドと組ませるのはセクストンよりもキャリス・レヴァートの方が適切だと考えているからのようです。ガーランドはは6’3”と小さくディフェンスも良くないので、彼の隣に6’1”のセクストンを並べるバックコートではサイズもなく、チームディフェンス的にも不安が残ります。そのため、キャブスは2にヴァーサティリティー、レングス、サイズ、アスレティスズムがあるレヴァートを入れたいようで、特にガーランド、レヴァート、トリプルビッグ・ラインアップ(マーカネン、モブリー、アレン)のラインアップを見たがっているそうです。

そうなると、点取り屋のセクストンはベンチスタートにまわり、ラヴとセカンドユニットをリードして行く役になりそうです。そして、キャヴスが考えるその役の価値は、前述した6マンを代表するクラークソンの$13.4Mと同程度だということなのでしょう。

ちなみに、ESPNのザック・ロウによると、ガーランド、レヴァート、マーカネン、モブリー、アレンのラインアップはプレーインのホークス戦の24分で、NETレーティングが17とホークス打ちのめしたそうです。試合には107-101で惜敗してプレーオフを逃しています。

また、キャヴスがオファーした契約は、QOの$7.2Mや$MLEの$10.4Mよりも多く、4年ではなく3年とセクストンが早くFAになれるようにしているようです。

フィドー:「市場がセクストンの価値を伝えている。キャヴスは他を見てリーズナブルだと思うオファーをした。実際他は何もないのだが。これは複数年年間$13Mの契約で、MLEよりも高く、QOよりも高い。セクストンの保証(3年契約の$40M)も金額も十分で、またこの先FAになれるフレキシブルな内容と考えているようだ」

現在、リーグでキャヴスの$13Mのオファーを上回るオファーができるチームはペイサーズとスパーズしかありません。ペイサーズにはハリバートン、デュアーテ、マサリンらのガードがいますし、スパーズにもプリモやヴァッセル、ジョッシュ・リチャードソンらのたくさんのガードがいます。スパーズにはセクストンがいても良いとは思いますが、再建中なので$20Mは出さないでしょう。また、スパーズは来年のドラフトでヴィクター・ウェンバンヤマを狙ってタンクするという噂もあり、セクストンには興味がないのかもしれません。

セクストンが考える自分の評価

キャヴスはセクストンを6マンの$13Mの選手だと評価をしましたが、本人は少なくてもスターティング選手クラスの年間$20Mは欲しいようです。

この評価が高いとは感じません。実際に、この数年でRFAのロンゾ・ボール(4年$80M)、マルコム・ブログドン(4年$85M)、テリー・ロジアー(4年$96.2M)らのPGがサイン&トレードで大きな契約をしているので、1試合平均20点以上を取れるガードのセクストンも同様な契約が出来ていても不思議ではありません。

昨シーズン中のセクストンとキャヴスとの交渉では、セクストンサイドはホークスのボグダン・ボグダノヴィッチのサラリーの$18Mをベースに考えていたようです。去年出ていた噂の4年$100Mよりも下がっています。それがうまく行かなかったからなのか、セクストンは今年の2月にエージェントをCAAからクラッチに変えて交渉を続け、オフシーズン前は再び$20M以上のオファーを希望していたそうです。

Bleacher Reportのジェイク・フィッシャーによると、セクストンサイドはブレイザースのアンフェニー・サイモンズ(4年$100M)、ニックスのジェイレン・ブランソン(4年$104M)級の契約を望んでいたとのこと。

このようにキャヴスとセクストンの求める金額に乖離があり過ぎるため、まだ契約に至っていません。このまま行くと、セクストンは$7.2MのQOを受けて、来年のFAを目指すのではないかとも言われています。フィドー曰く、来シーズンはキャップスペースがリーグの半数になるので、マーケット的には来年の夏の方が選択肢は広がるそうです。フィドーは「それまでに、セクストンはACL損傷からの復帰をアピールしつつ、チームのために6マンの役もこなし、ウィニングプレーヤーであることを証明し、ダリアスの隣で試合をクローズできるプレーを見せて評価をあげるべきだ」と言っています。

ESPNのザック・ロウは、セクストンは2+1の契約をしてはどうかと言っていました。そうすれば確実に$26Mを確保でき、早くFA市場に出て金を回収することができます。

セクストンが評価をあげるために

セクストンが自分が考えている金額よりも低いサラリーでプレーしたくないのは理解できます。しかし、現実のセクストンの市場はキャヴス以外ゼロです。これはセクストンが評価をあげなければいけないことを意味しています。では、セクストンの何が問題なのでしょうか?

前述したセクストンの守備は問題になるのでしょうか?問題と言えば問題です。BPMがマイナスと言うことは、チームメイトが誰か関係なくオフェンスで点を取るよりもディフェンスで点を取られている事を意味しています。とは言え、年間$20Mの契約を手にしたブランソンやサイモンズも守備がいいとは言えませんし、プレーメイクが素晴らしいという訳ではありません。この2人とセクストンの差はなんなのでしょうか。

セクストンと身長が同じブランソンは、昨シーズン平均31.9分出場して、平均得点11.9で平均アシストは4.8、PERは17.1、BPMは0.9、EPMは1.8でした。 サイモンズは昨シーズン平均29.5分出場して、平均得点17.3で平均アシストは3.9、PERは15.3でBPMは-0.7、EPMは0.4になっています。ふたりともそれほど凄い数字を持っている訳ではありません。スターターとベンチプレーヤーの差なのでしょうか。勝利に貢献していないと思われているのでしょうか。

ひとつにはセクストンがACLのケガから復帰していないことがあると思います。実力的にも前述した選手と同レベルのサラリーをもらっていてもおかしくないと思います。しかし、ACLの手術からどう復帰するのか見ない限り、チームも怖くて手が出せなかったのではないでしょうか。

もうひとつの要因にはセクストンのボールホグのレッテルもありそうです。The Athleticのジョー・ヴァードンによると、去年キャヴスの選手たちは対戦相手の選手たちから試合中に「彼がお前にボールをパスしないのは知っているよね」と言われたりしていたそうです。彼のパスをしない傾向はスカウティング・レポートにも載っているはずです。

ESPNのザック・ロウが、セクストンを評して「彼はいい選手だ。あなたがコリン・セクストンをどう考えようが、サイズ、ディフェンス、シュートファースト、シュートセカンド、シュートサードのメンタリティーで、プレーメーキングのなさという制限があっても(良い選手)だ。私は言われているほど彼が悪いパッサーだとは思わない。でも彼は良い選手だ。もし彼が6マンか7マンなら、まちがいなくいいチームになる」と言っていましたが、このどんな場面でも点を狙いに行くというイメージが強いのも影響している気がします。

もしセクストンが、シュートファーストではなくチームファーストのプレーヤーになれれば、テリー・ロジアーの$21.4M、スペンサー・ディンウィディーの$20.1M、同じく守備に課題があるバディー・ヒールドの$22.7Mは余裕で超えてくると思います。

そう言った意味では、スパーズのプログラムに数年コミットして評価を変えても良いかもしれません。しかし、前述したように、スパーズは来年のドラフトでヴィクター・ウェンバンヤマを狙っているととも言われていて、もしセクストンが来たらその可能性は低くなってしまうでしょう。スパーズがあるとすれば来年のドラフトの結果を受けてからかもしれません。

私個人的には今のセクストンには最低でも4年$72M(年$18M)をオファーしてもいいと思っています。ショットクリエイションはプレミアムなスキルでもあるのと、さすがに$13MでSGのクリッパーズのルーク・ケナードやジャズのマリック・ビーズリーよりも低いのもどうかと思います。PGとの比較だとグリズリーズのタイアス・ジョーンズの$15Mやマジックのマーケル・フルツの$16.5Mよりも高くても良さそうです。$18Mで今後も「Sexland」をクリーブランドにキープできれば安い買い物ではないでしょうか。

ただ今はセクストンにはオファーがないので、適正な評価やサラリーが何であれ、自分の成長したプレーをプレーオフをかけて戦うキャヴスで見せていくしかありません。オフェンスではチームメイトを助け、ディフェンスではスクリーン・ナビゲーションやスウィッチをがんばり、フィドーの言うように「ウィニング・プレーヤー」の片鱗を見せることができればチャンスは広がります。それでも来年大きな契約が得られる保証はないのですが、そのような姿勢を見せることができるのであれば、確実にキャヴスのオファー$40M以上の契約ができると思います。プレーヤー・オプションもつけれるかもしれません。QOのデットラインは10/1までです(お互いに合意の元プッシュバック可能)。ここは思い切って、今年はQOの$7.2Mでプレーして来年のFAに賭けるのもありだと思います。


サムネイル画像:Photo by Tony Dejak/AP