NBAトレード・ブレークダウン&トレードから見るこの夏のFA

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NBAトレード2019

トレードデットラインでものすごい数のトレードが交わされ、トレードされた選手の数は57人で過去最多、デッドライン当日のトレード数は14で過去最多だったそうです。この多くのトレードにより、NBAの勢力図が変わったと思います。特にイーストのバックス、グリズリーズ、シクサーズはかなり戦力がアップしました。今からイーストのプレーオフの2ndラウンドが楽しみです。

トレードは大きくわけて3パターンあります。
1. 優勝を狙うチームは、最後の30試合&プレーオフに向けてチーム力アップを目指します。

2. 再建中のチームは、タンクするためにいい選手を売りに出し、悪い契約を引き受ける代わりにドラフトピックやロッテリー選手などの若い有望な選手などのアセットに変えていきます。

3. タックスをおさえたりするためにトレードするチームもあります。

その中でも、特に素晴らしいトレードを達成したチームを見ていきたいと思います。

トロント・ラプターズ

トロント・ラプターズはグリズリーズからマーク・ガソルを獲得しました。グリズリーズは直前までホーネッツと交渉しており、後は1stラウンドにかけるプロテクションだけだっただけに、このトレードには驚きました。

内容。
ラプターズが得たアセット:
・マーク・ガソル 約24.1億円(来シーズン約25.6億円のプレーヤーオプション/FAは約38.1億円)

グリズリーズが得たアセット:
・ヨナス・ヴァラチュナス(C) 約16.5億円(来シーズン約17.6億円のプレーヤーオプション)
・デロン・ライト(PG) 約2.5億円(今シーズン終了後RFA)
・CJ・マイルス(Wing) 約8.3億円(来シーズン約8.7億円のプレーヤーオプション)
・2024年の2ndラウンドピック

ラプターズは来シーズン、カワイの再契約を狙っています。彼のマックスの初年度は約32.7億円なので、ガソルがオプト・インし、グリーンと再契約するとキャップは約172億円になります。

来シーズン、CJ・マイルやJVがオプトインした数字とガソルがオプトインする数字はそれほど変わりませんし、この数字ですとRFAのライトをキープするのはむずかしいでしょう。ラプターズは、このトレードで来シーズンのキャップを多少整理できました。

最悪、カワイとガソルの2人がFAで移籍してもキャップには約28億円が残りますし、プレーオフの対ジョエル・エンビードのポストディフェンスもあるガソルはいい補強です。パスも上手いので、プレーオフのスピードがなくなったハーフコートオフェンスで起点にもなり、活躍が期待できます。キャップ的にもバスケ的にもチームにフィットしているため、ガソルが3~4ヶ月のレンタルになっても問題ないと思います。

なお、ライバルのチームはラプターズにはガソルを使ってオーソドックスなバスケをして欲しいそうです。その方が勝つチャンスがあると見ているとの事。

ロサンゼルス・クリッパーズ

エースのトバイアス・ハリスをシクサーズにトレードしました。
プレーオフ出場圏内の8位につけていて、みんながプレーオフ進出を狙っていたと思っていたので、このトレードには良い意味でビックリしました。その内容を見ていきましょう。

内容:
クリッパーズが得たアセット:
・ランドリー・シャメット 約1.7億円(来シーズン約1.99億円)
・ウィルソン・チェンドラー 約12億円(来シーズンFA)
・マイク・マスカラ 約5億円(来シーズンFA)
・2020年のシクサーズの1stラウンドピック
・2021年のヒートからの1stラウンドピック(プロテクションなし)
・2021年のシクサーズの2ndラウンドピック
・2023年のピストンズからの2ndラウンドピック

シクサーズが得たアセット:
・トバイアス・ハリス (来シーズンFA。マックスの初年度は約32.5億円)
・ボバン・マルヤノヴィッチ 約7億円(来シーズンFA)
・マイク・スコット 約4.3億円(来シーズンFA)

これでクリッパーズの狙いがハッキリしました。プレーオフにでなければ2019年のドラフトの1stラウンドをキープできるため、ロッテリーを狙っての事でしょう。そうなれば、クリッパーズはこのトレードで実質3つの1stラウンドを得た事になります。プレーオフ8位よりも未来を優先しました。再建です。

このトレードと、後のグリズリーズとのブラッドリーのトレードでガレット・テンプルトジャマイケル・グリーンを得た後の来シーズンのキャップは、約59.6億円になっています。ニックスのようにダブルマックスとは行きませんが、かなりの額です。マックス1人と約20億円を使えます。ガリナリがいますので、サイン&トレードも可能です。

クリッパーズは、このトレードにより得たキャップと、5つのドラフトピック、それに有望な若い選手たち(シャイやソーンウェル)を手にし、セルティクスの次にアセットリッチな球団になりました。うまくいけば、カワイかKDとの契約の後で、ADのトレードも狙えます!少なくともレイカーズより良いオファーを出せるのは間違いありません。

また、トバイアスを出した要素としては、彼がマックスレベルの選手だと言う事もあります。彼は彼でマックスを狙っていますので、7/1になってカワイとKDのFAが決まるまでトバイアスに他チームとの交渉を待ってとはいえないでしょう。

シクサーズに関しては、GMのブランドが今が勝ちに行く時だと言っていましたが、キャップ的にチームを長期的に築けるのはシモンズがマックス契約更新する前の来年までしかありません。(詳しくはシクサーズのトレード考察で説明しています

FAになるマックスレベルの選手の2人を獲得したのは異例ですが(2人とも出て行ってしまう可能性がある)、最低でも1人キープできればその価値はあると思います。何しろ、この夏のFA市場が激戦です。今の内にマックスの選手の2人をリクルートを始める事ができるのは有利です。ジミーはフィリーに残らないという噂も聞きます。トバイアスを獲得したのはその保険という意味合いもありそうです。

話は変わりますが、ベン・シモンズがいつもゴール下にいるのは邪魔ですね。プレーオフを念頭にハーフコートのバスケの精度をあげるには、いっその事、彼を5にして、レディック、マコネル、バトラー、ハリスの超スモールでもいいのかもしれません。またはボールハンドルができるハリスとシモンズの4-5PnRも見てみたいです。

ヒューストン・ロケッツ

ブランドン・ナイトの約14.6億円(来シーズンは約15.6億円)をやっと動かす事ができました。
イマン・シャンパート(約11億円、来シーズンFA)を得たり、スタウスカスやボールドウィンを動かしたりしましたが、重要なのはタックスチームではなくなった事です。

オーナーのティルマン・フェリティッタは、以前タックスを払うなら新しいGMを見つけた方がましだくらいの発言をしていたため、キャップをタックスラインまでさげるのはオーナーからのオーダーだったと思います。

Daryl Morey (Barton Silverman/The New Tork Times)

その制約がありましたが、守備に貢献できるシャンパートを獲得できたのはプラスだと思います。

タックスまで約3977万円、もしカペラのボーナスがなくなれば更に約5000万セーブできます。MLEでたしか約4億円残っていますが、バイアウト市場ではこれを使わずにタックス内に抑えていくと思いますので、派手なバイアウトはなさそうです。

ミルウォーキー・バックス

ペリカンズとのトレードでチームにシームレスにフィットするニコラ・ミロティッチを獲得しました。

内容:
バックスが得たアセット:
・ニコラ・ミロティッチ 約12.5億円(来シーズンFA)

ペリカンズが得たアセット:
・ジェイソン・スミス 約5.4億円(来シーズンFA)
・スタンリー・ジョンソン 約3.9億円(来シーズンRFA)
・2019年のデンバーからの2ndラウンドピック
・2020年のバックスの2ndラウンドピック
・2020年のウィザースからの2ndラウンドピック
・2021年のウィザースからの2ndラウンドピック

このトレードでバックスが素晴らしいのは手放したアセットのクオリティーとチームのフィットのバランスです。シクサーズがハリスを獲得するために手放した2つの1stラウンドピックを含むアセットの質と、チームのフィットとキャップを考えると、明らかにバックスのミロティッチ獲得の方が「上手い」です。以前もバックスのトレードの素晴らしさを紹介しましたが、ジョン・ホーストGMやりますね!

これらのトレードから見る夏のFAの勢力図

トレードデットラインでNBAの勢力図が変わりましたが、サラリーが動いた事により夏のFAの様相も変えました。

この夏のFAクラスはオールスタークラスがたくさんいてすばらしいマーケットです。メジャーな選手は、9人にものぼります。カワイ・レナード、ジミー・バトラー、カイリー・アーヴン、クレイ・トンプソン、ケヴィン・デュラント、ケンバ・ウォーカー、アル・ホーフォード、マーク・ガソル、デマーカス・カゥズンズ、これにADのトレードが入るので、実質10人になります。

その他にはクリスタプス・ポージンギスがRFA、ゴーラン・ドラギッチ、クリス・ミドルトンがいます。

それに対し、リーグ全体のマックススロットは10。
・ニックス:約74.55億円
・クリッパーズ:約59.6億円
・ネッツ:約54.6億円
・ホークス:約53.4億円
・マーヴェリックス:約52.1億円(KPにマックス延長)
・ペイサーズ:約48.3億円
・レイカーズ:約43.1億円
・シクサース:約41.2億円
・キングス:約37.2億円

再建中のホークスとKPにマックス契約延長をオファー予定のマブスが入っているので、実質8の空きを狙って上の9人が動きます。動かない選手もいるでしょう。

2020年のFAは、ADの次のレベルの選手がマックスボーダーラインのドレイモンド・グリーンですので、お金を使えない年になります。キャップが空いているチームにとってこの夏が勝負です!

この夏は忙しくなりそうです。

参考サイト:NBA salary cap tracker
サムネイル画像:Photo by Star-gram

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