ロケッツのスロースタート考察 25試合

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ヒューストン・ロケッツのスロースタート

最初25試合の成績:11勝14敗

ショッキングな数字です。昨シーズンリーグ最多勝し、最有力候補のGSWとWカンファレンス決勝で第7戦まで激戦を繰り広げたロケッツ。優勝まであとCP3のハムストリングだったロケッツが、今シーズン序盤はまさかの5割チームになってしまいました。今シーズン開幕までは誰もが優勝候補の一角と思っていたロケッツがなぜ勝つ事ができなかったのかを検証していきたいと思います。

オフェンス

対戦相手が、ロケッツのオフェンスに対応してきた事が大きいと思います。
昨シーズンはロケッツのハーデン/カペラのPnRやハーデンとCP3のアイソ等で無双してきました。NBAは、スケジュールが過密なため、チームはシーズン中にあまり練習ができないため、どうしてもチームの守備はあまり変えてきません。
しかし、2シーズン目のロケッツは夏に他チームが対応策を練る時間が出てきてしまい、
機能しなくなったというのが実情です。

まず、対戦相手の守備が、CP3やゴードンやグリーンにスイッチしなくなったため、
結果カペラが相手Cと一緒に外に残ってしまいリバウンドが取れなくなりました。
(リバウンドは昨シーズンの35%から24%へ落ちる/25試合)

第2に、スリーポイントラインにいる選手からマークを外さなくなりました。それもあり、3P%はリーグ24位の33.7%です。スリーがなく、リバウンドが取れなければ試合で勝つ事はむずかしいです。これはスパーズにも言えた事ですが、統計的な現実です。

最後に、対戦相手が対応してきたのが、ハーデンとカペラのPnRです。
相手はハーデン=カペラのカバレージを変えて来ました。
相手センターはゴール下あたりまで深くドロップし、リムへのアタックを消し、アタックされた時は両手をあげてファールを取られないようにしています。

ダントニも速い段階から他チームの対応に気づいており、ビックのロールを遅らせたり、逆に外に張り出すようにして対応していたようです。
(最近は変えてきました、ハーデンのスクリーナーやカペラの動き/ポジションを注意して見てみてください)

しかし、CP3をはじめケガでなかなか全員揃わなかったのもあります。点を賄うにしても、賄う選手がいませんでした。ナンバー3として期待されていたカーメロ・アンソニーもうまく機能しませんでした。メロは役割が減らされチームを離れてしまい、非常に残念な結果となりましたが、マイナス選手になってしまっていたので仕方ないでしょう。はやくバイアウト市場で活躍できるチームへ行けるといいですが…

そんなこんなでオフェンスも単調になり、ハーデンがボールを持ってオフェンスをはじめるまで時間がかかります。ペースも29位です。ここで余計なクロックを減らして難しいショットにしてしまっています。オフェンスは昨シーズンよりも動きが少なくなり、本当にアイソオフェンスになってしまいました。スカウトによると、マイク・ダントニはオフェンスコールを1度もしない試合もあったそうです。コート上のことは選手達に任せているようです。昨シーズンは、ATOでシステマチックなオフェンスもしていましたが、それも見られなくなりました。
(今はそんな事はないです)

ディフェンス

昨シーズンは5~8位に入っていたディフェンシブRatingがなんと25位。
ディフェンシブリバウンドも昨シーズンは3~5位だったのが、今シーズンは29位。
理由は前述した要因が大きいと思われます。

カペラ自身のコンディションも悪く、オフシーズン明けに重くなって来たようです。それもガードにスイッチした時やPnRの守備で動けていないのを見ればわかります。

ディフェンシブRが取れていないのは、唯一の控えCのネネもケガしていた事も影響しているのではないでしょうか。

また、対戦相手もロケッツのオールスイッチに慣れてきて、ジャズのようにスリップしてディフェンスを混乱させるチームも出てきました。ロケッツは、スイッチする回数が減ってきています。昨シーズン、オール・スイッチ・システムをロケッツに組込んだジェフ・ブゼデリックが11月末に復帰しました。これから、守備のスキームが変わってくると思われます。

マイク・ダントニとジェフ・ブゼデリック Yi-Chin Lee/Houston Chronicle

ちなみに、ブゼデリックはメロがナゲッツにいた時にヘッドコーチをしていた事もあります。メロがロケッツに加入してブゼデリックが引退し、メロがチームを離れてからブゼデリックが復帰したのは偶然ではないかもしれません。ブゼデリックの復帰はオーナーのティルマン案件だったそうです。そうなると、ミニマムのメロを切る判断は以外と簡単な事だったのかもしれません。(切ると聞こえが悪いのですが、役割を減らしたりして追い込むのは、ちょっと会社が社員を追い込む感じに似ていますね)

トレヴォー・アリーザとルック・バ・ア・ムーテイ

ロケッツはFAで守備の要だったウィングのアリーザとLMAMを歩かせてしまいました。昨シーズン新しくオーナーになったティルマン・フェルティッタがタックスを払うのを拒否したため、とも伝えられています。モリーは、スーパースターのハーデンがプライムの内にウォリアーズに対抗して優勝を狙うスタンスだったので、この決断はオーナーの意向が強そうです。

たしかに、ハーデン、CP3、カペラの3人に約100億円払う事になり、それが20-22まで続くのは決断に大きな影響を与えた事でしょう。フェルティッタはリピータータックスは払わないと明言しているので、今後もこのような事が続きそうです。

Brett Coomer/Houston Chronicle via AP

ちなみに、彼の総資産は約3000億円で、ロケッツの買収金額は約2200億円でした。ネッツのコ・オーナーのジョー・ツァイの資産は約8000億円あると言われています。フェルティッタはオーナーの中でも特にお金を持っている訳ではないそうです。ちなみにウォリアーズやバルセロナに約295億円払っている楽天の三木谷氏の総資産は約5500億円です。近々ペリカンズとかウルブスとかブレイザースとか買収しないですかね?

他の外的要因:

今シーズンになって対戦相手がスリーをより多く撃つようになってきたのも影響していそうです。ロケッツに優位だったスリーのギャップが狭まってきました。このトレンドは今シーズン以降も続くと思われるため、ロケッツの優位性が薄れていきます。はたしてモレーGMは新しいマネーボールを発見できるのでしょうか。

今後の展望:

ロケッツはプレーオフにいけると思います。オフェンスもディフェンスも対応してきて勝率も5割を越えてプレーオフ圏内まであがってきました。ハーデンは紛れもなくリーグ屈指のオフェンシブガードです。そんな才能があるチームがプレーオフを逃すのはちょっと考えられません。358ではウェストで4位でプレーオフ進出は93%と予想されています。激戦のウェストで出遅れたチームが今からトップまで上がっていくのは厳しいでしょう。1stラウンドでホームコートを得るのがやっとではないでしょうか。

ただ、モレーはすべてのトレードに首を突っ込むと自分で言っていますし、2/7のトレードデットラインまで動く可能性はあります。また、その後のバイアウト市場もありますし、このままのロースターでプレーオフまで行くとは思えません(その間、オースティン・リヴァースと契約しました)。ハーデンがケガさえしなければ、どのチームにも勝てる実力はあるので、シーズン後半どんどんオフェンスもディフェンスも磨きあげ、NBAを面白くして欲しいと思います。

参考サイト:Houston Rockets Roster and Stats
サムネイル画像:Photo by Eric Christian Smith/Associated Press

One thought on “ロケッツのスロースタート考察 25試合”

  1. うぃー says:

    とても勉強になりました。ハーデンへの比重を更に増やして良くなりましたがこれってレブロンとかがPOでやるあれですよね?このままでPOまでいったとして更に相手ディフェンスの強度が増したときどうなるんでしょうかね?鍵は結局CP3とゴードンの復調だとは思いますが。

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