これからのNBA:スケジュール

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コロナウィルスのため、NBAのシーズンが3/12に一時中断となりました。

これからもプレーオフを含む多くのイベントを控えており、はたしてそれがいつ頃になるのか?

レギュラーシーズン、プレーオフ、ドラフト、来シーズンのスケジュール情報をまとめてみました。

レギュラーシーズン

再開へのハードル。

コミッショナーのアダム・シルヴァーは5月末にならないとわからないと言っています。また、すべての選択肢を検討しているとも言っていますので、かなり流動的に動くと思われます。(4月末時点)

もし再開するにしても、州やアリーナがある街の指示に従わなければならず、全国的に試合開催/スポーツ観戦が可能になるタイミングにズレが生じるため、通常のホーム&アウェイ方式でNBAを再開するのはなかなかむずかしそうです。

また、オバマ政権で健康に携わっていた専門家は、経済活動の再開は段階的に行うべきだと提言しており、まずは製造業や建築業から始め、スポーツやコンベンションなどはいちばん最後に再開するべきだとの意見もあります。

シルヴァーは一貫として「専門家」の意見を聞いて判断すると表明をしているため、シーズンのキャンセルも可能性も大いに考えられ、NBAもシーズン再開にだいぶ悲観的になっているとのニュースも出ていきていました。

しかし、最近ファウチさん(アメリカ国立衛生研究所所長)が、ある特定の場所に選手たちやメディアを集めての無観客試合でなら可能なのではないかとの発言もしており、シーズン(試合)再開への希望が見えはじめました。

ファウチさんは、ステフェン・カリーを指名してコロナのことを良く知ってもらうためにコロナQ&Aをした人です。

ちなみにコロナ前にアメリカのプロスポーツでシーズンがキャンセルになったのは過去2回あって、1919年のスタンレーカップのファイナルがスペイン風邪でキャンセル、1994年のMLBがストライキでキャンセルになっています。

シーズンの再開時期

もしシーズンを再開しようとした場合、どのようなシナリオが検討されているのでしょうか。

NBAは遅くとも9/3のレイバーデイにプレーオフ・ファイナルをやりたいと思っているようです。理由は単純に、翌週からNFLが開幕するからなのと、来シーズンを12月から始められるギリギリの日程だからです。

そこから逆算すると、6月の10日前後にはレギュラーシーズンを再開していないといけません。

しかし、ボールにも触っていない選手(テイタム)や家にジムもない選手も多数おり、選手のコンディションやケガの懸念から、いきなり試合をはじめる訳にもいきません。

(自分のアパートでトレーニングをするサージ・イバカ)

(やっとバスケットボールとフープを導入したテイタム)

そこでNBAは25日程度のコンディショニングの日程を組み込むようです。内容は、11日の個人トレーニングの後、14日のトレーニングキャンプを想定しているとの事です。

そうなると5月の中旬には準備をはじめないといけませんが、あと1ヶ月で再開できる見通しはないどころか、まだコロナが拡大していない地域たこれから感染拡大する地域等バラバラで未だ収束の目処はたっていません。

現実的なスケジュールは、レギュラーシーズンとプレーオフを短くする事です。

本来なら平均19試合残っているレギュラーシーズンを5~7試合に限定し、プレーオフへ。(この「7」という数字は、ローカルTVと契約している放映試合数達成まであと7試合あるチームがあるからとっています)

プレーオフも16チームではなく、8チームに絞り、ベストオブセブンではなく、ベストオブファイブにする。無観客試合なので、チケットや他の売上もないため、試合数を短縮する事には反対はないでしょう。

これを9/3から逆算すると、6月中旬から選手たちが集まって、7月の中旬からレギュラーシーズンが始められます。

そのために5月のどこかのタイミングで準備がはじまりそうです。

逆に6月の後半になっても再開できそうな状況でなければ、シーズンキャンセルもあるのではないでしょうか。

場所

シーズン再開でもうひとつ問題になっているのは場所です。

カリフォルニア州はスポーツやコンサートを当面禁止しています。

プレーオフの移動日数の調整や、移動で使う際のチャーター機やホテルなどでのコロナ締め出し対策などの課題は大きいため、ニュートラル(中立)な場所でシーズンを再開させる構想があるようです。

選手、スタッフ、テレビ関係者たちを一箇所に集めて、コロナが入れない「バブル」をつくり、そこで試合運用をして行く。これが現実的ですね。

中国のCBAはUSJを貸し切ってバブルをつくり練習をしていて、今のところ成功を収めているようです。

また、この方が移動もなくなるのでスケジュール的にもスムースに運用ができます。

候補地としては、ベガスやルイヴィルなどがあがっているそうです。最有力候補は現在シャットダウンされているホテルがたくさん使えるベガスになりそうです。ディズニーがシャットダウンしてホテルもあり、サマーリーグもやっているオーランドという案もあるようです。

(オーランド・サマーリーグ)

ただ、コロナ検査体制を確立していなくてはいけません。

全国的に足りていない要員や検査キットを、スポーツのために使う事が正しいのかは疑問視されています。限りある医療関係者や医療器具をスポーツへまわす事への批判も大きなものになるでしょう。

NBAに回すよりも、それらの資源で少しでも助かる命があるなら、それらをもっと必要としているところにまわすべきだと思います。ただ、アメリカでは唾液で1日に1万人の検査ができる検査キッドも使われてきているため、あと1ヶ月もしたら、コロナの流れも変わってきているかもしれません。

コロナが終息した場合

もし、コロナが奇跡的に終息した場合はどうなるのでしょうか。

通常どおり、ホーム&アウェーでシーズンやプレーオフをする時に問題になるのが、アリーナのスケジュールです。

7月や8月のスケジュールはほぼ埋まっていて、先にスケジュールを抑えていたコンサート、モンスタートラック、アイスショー、等が優先されそうですね。そうなると全体スケジュールの調整が難しそうです。

ロスのステイプルス・センターがもっとも調整むずかしいそうです。イベントやコンサートもありますし、WNBAはシーズンがキャンセルになったとはいえ、それでもレイカーズ、クリッパーズに加えて、NHLのキングスの本拠地にもなっているためです。

そうなると夜のイベントの前に試合をするかもしれません。コロナが終わった夏の日中の試合になると、TV局の数字が取りづらくなるかもしれないので、NBAとESPNの交渉次第でしょう。

来シーズンのNBA

仮に、9月3日にファイナルが行われた場合は来シーズンはどうなるでしょうか?

NBAは通常通りの10月末の開幕ではなく、大学フットボールが終わる12月後半にシーズン開始を考えているようです。具体的には12/25のクリスマスの開幕だそうです。

これは中断前にホークスのプレジデントがスローン・カンファレンスで発表したシーズン変革案と同じものです。これは、視聴率が下がっているNBAをなんとか盛り上げるようとするアイディアの内の1つです。

このスケジュールのメリットは、プレーオフの夏に競合がいない事です。NFLとは最初かぶりますが、あとはMLBのシーズンとだけ。MLBは試合数が多いため、そのレギュラーシーズンはあまり競合としては考えていないようです。

夏のバケーション中に、みんなバスケを観るかという議論も出ていますが、どうなんでしょうか。選手たちも子供たちと同じ時期に夏休みを取れなくなりますし、シーズン・チケットホルダーの夏のバケーションの予定も変わるため、なやましいところではあります。

この場合、来年のオリンピックはNBAプレーオフと被るので、NBA選手が参加するのはむずかしそうですね。プレーオフへ行けない選手たちは来れるかもしれませんが…

次回は、今後のNBA全体に関わる「サラリーキャップ」を詳しく見ていきたいと思います。

参考サイト:What to know about the suspended NBA season and when it could resume
サムネイル画像:Photo by Ezra Shaw/Getty Images